第17回 全国公募書道展「放哉を書く」展覧会

 鳥取市出身の俳人、尾崎放哉の句を題材にした第17回全国公募書道展「放哉を書く」(放哉の会、新日本海新聞社主催)が11月14日〜17日まで鳥取市内3会場で開かれる。一般、高校、色紙の3部門の入選・入賞作品、審査員・招待作家の作品約230点が展示される。

開催日 令和6年11月14日(金)〜17日(日)
    午前9時〜午後5時まで(※最終日は午後3時まで)
会場:とりぎん文化会館、ギャラリー集、宝林堂
入賞者決まる
尾崎 放哉 1885〜1926年
 鳥取市生まれ。第一高等学校時代から俳句作りに没頭し、自由律俳句で現代人を魅了。研ぎ澄まされた言葉が、多くの人の共感を得ている。

句と書の魅力堪能 鳥取市内3会場で開幕

大賞や審査員らの作品に見入る来場者=14日、鳥取市のとりぎん文化会館

 鳥取市出身の自由律俳人、尾崎放哉の句を書で表現する全国公募書道展「放哉を書く」(放哉の会、新日本海新聞社主催)が14日、同市のとりぎん文化会館など市内3会場で始まった。入選作品など約230点が並び、愛好家らが趣深い放哉句の世界と書の魅力を堪能した。17日まで。

 17回目となる今展には、一般、高校、色紙の各部に224点の応募があった。上位入賞作や審査員らの招待作品、入選作を同館やギャラリー集(つれ)、宝林堂ギャラリーに展示している。

 一般の部で最高賞の放哉大賞・鳥取県知事賞に選ばれた静岡県沼津市、風岡将平さん(35)の「闘牛の装なりぬ梅赤し」は、筆の開閉や墨の潤渇を巧みに操り、これまでの経験と力量を感じさせる落ち着いた作品に仕上げた。高校の部で大賞を飾った鳥取東高3年、西村爽花さん(18)の「傘にばりばり雨音さして逢(あ)ひに来た」は、長細い筆で線のスピードや太細に鋭く変化をつけ、激しい雨音を表現している。

 鳥取市内から訪れた吉田睦子さん(73)は「5年前、鳥取に来て初めて放哉を知った。句と文字の調和、若い人の力強さに心引かれる」とほほ笑む。放哉の会の柴山抱海会長(82)は「書は文字の大小や濃淡など異なる要素を調和させる“兼美”が基本。多彩な表現を考えながら経験を重ねてほしい」と講評した。

 表彰式は17日午後1時半から、とりぎん文化会館で行う。(前田夏海)

【一般の部】

風岡 将平さん
放哉大賞・鳥取県知事賞

阿部 秀信さん
放哉準大賞・鳥取市長賞

田中 こころさん
新日本海新聞社社長賞

森木 夢羽さん
鳥取県議会議長賞

矢谷 千春さん
鳥取市議会議長賞

小林 彩乃さん
美術の杜社長賞

細谷 孝雪さん
宝林堂社長賞

【高校の部】

西村 爽花さん
放哉大賞・鳥取県知事賞

谷田 杏悠さん
放哉準大賞・鳥取市長賞

川村 華漣さん
新日本海新聞社社長賞

塩垣 万結さん
鳥取県議会議長賞

冨山 葵衣さん
鳥取県教育委員会教育長賞

北村 映果さん
鳥取市議会議長賞

寺谷 柚月さん
鳥取市教育委員長賞

【色紙の部】

伊井 大鶴さん
新日本海新聞社社長賞

武田 響光さん
放哉賞

「放哉を書く」入賞者一覧

【一般の部】
▽放哉大賞・鳥取県知事賞=風岡将平(静岡県)
▽放哉準大賞・鳥取市長賞=阿部秀信(愛媛県)
▽新日本海新聞社社長賞=田中こころ(大阪府)
▽鳥取県議会議長賞=森木夢羽(鳥取市)
▽鳥取市議会議長賞=矢谷千春(鳥取市)
▽美術の杜出版社長賞=小林彩乃(東京都)
▽美術の杜出版社賞=山田美鈴(琴浦町)
▽宝林堂社長賞=細谷孝雪(埼玉県)
▽放哉賞=岡村抱寿(鳥取市)岡本汀華(鳥取市)
▽新日本海新聞社賞=村上真理子(鳥取市)川名僊苑(千葉県)
▽秀作=千石一女(鳥取市)腰原佳惠(千葉県)奥川麗流(宮城県)西川葉峯(兵庫県)
▽佳作=入江佑香(奈良県)宮崎葵(神奈川県)
【高校の部】
▽放哉大賞・鳥取県知事賞=西村爽花(鳥取東)
▽放哉準大賞・鳥取市長賞=谷田杏悠(鳥取城北)
▽新日本海新聞社社長賞=川村華漣(沼津西)
▽鳥取県議会議長賞=塩垣万結(八頭高)
▽鳥取県教育長賞=冨山葵衣(鳥取東)
▽鳥取市議会議長賞=北村映果(鳥取東)
▽鳥取市教育長賞=寺谷柚月(鳥取城北)
▽放哉賞=中村美咲(沼津西)林心愛(鳥取城北)
▽新日本海新聞社賞=北中千寧(鳥取城北)矢ア心遥(鳥取城北)
▽秀作=西岡凜生愛(鳥取敬愛)栃山瑞葵(沼津西)
▽佳作=有田未優(八頭高)津村 心望(鳥取東)
【色紙の部】
▽新日本海新聞社社長賞=伊井大鶴(東京都)
▽放哉賞=武田響光(米子市)
▽新日本海新聞社賞=谷岡子謡(鳥取市)
▽秀作=佐藤一則(埼玉県)
▽佳作=織田翠華(鳥取市)彪(大阪府)
■お問い合わせ
放哉の会事務局・石丸
電話090(9062)5559