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受賞作品 感想文部門


  鳥取県知事賞
平和の大切さを伝えていこう

ア津 ちなみ
境港市立渡小学校4年


「ちいちゃんのかげおくり」 あかね書房


 戦争によって小さな女の子の命が、空に消えました。女の子の名前は、ちいちゃん。ちいちゃんは空しゅうで、お母さんとお兄ちゃんとはぐれて、ひとりぼっちになります。ばくだんをつんだ飛行機が飛ぶなかを、たった一人でにげなければなりません。わたしは、飛行機からばくだんを落とされ、町をこわされ人も殺されるなんて、今の自分の生活とあまりにもちがうので、なかなか想ぞうがつきませんでした。何度も本を読み返し、ちいちゃんの気持ちを考えてみました。暗い橋の下でひとりぼっちのちいちゃんは、心細く不安だったと思います。お母さんやお兄ちゃんに会いたかったと思います。戦争は、戦争に行く人だけでなく、こんな小さな子どもにまでも、つらく悲しい思いをさせるのだと気づきました。そしてちいちゃんは、こわれかかったぼうくうごうの中で、一人で死にました。でもちいちゃんは、夢のなかで家族に会え、みんなでかげおくりをします。家族そろって幸せだったころを思い出し、笑って死んでいきました。わたしは、ちいちゃんの幸せと命をうばった戦争が、ゆるせません。この「ちいちゃんのかげおくり」を読んでから、戦争のことが、頭からはなれなくなりました。

 「戦争ってなんだろう?」戦争について、もっと知りたくなり、「広島の原爆」という本を読みました。日本は、原爆が落とされた世界でただ一つの国であると知りました。たった一発の原爆によって、四十五万人の人々がひ害をうけたことになるそうです。一しゅんにして、広島の建物も、人も草木も焼けこげて、町は、死にました。わたしは、戦争のことを知れば知るほど、こわくなりました。人が人を殺す。殺された人はもちろんですが、その人の家族や友だちも、悲しい思いをします。国と国との戦いなので、戦争に行く人もことわれないのです。戦争からは何も生まれず、悲しみだけが残ると思いました。そして戦争は、遠い昔の話ではありません。今もまだ戦争で、多くの人が悲しみ苦しんでいます。ちいちゃんのような小さな子どもの命も、うばわれているのです。わたしは、毎日学校に行き、勉強したり、友達と遊んだりすることが出来ます。おいしいごはんを食べて、安心してねむることも出来ます。戦争のことを考えて、初めて平和の大切さを知りました。スマップが歌う、「トライアングル」が、戦争と平和について考えまよっていたわたしに、大きなヒントをくれました。「わずかな苦しみも知らぬまま後に生まれ生きる僕ら、受け継ごうその想い声の限りに伝えるんだ」この歌しが、心にひびきました。今の自分に出来ることは、これからもっと戦争のことを勉強し、平和の大切さを多くの人々に伝えていくことだと思います。世界中の子どもが、平和について考えて伝えていけば、わたしたちが大人になったとき、戦争はなくなると信じています。世界中に、大切ではない命は、一つもありません。


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