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受賞作品 感想文部門
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友情がそだてた心
久野 皓平
大山町大山西小学校4年
「きりんゆらゆら」 くもん出版 |
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ぼくは「きりんゆらゆら」という題名が気になったのでこの本を選びました。この本は半年前の事故ですっかり変わってしまったクワガタ君と、きずつくのがこわくて友達をつくれなかった荒太との友情をえがいたものでした。そして、その二人を通してぼくに本当の友情とは何かを問いかけてくれた本でした。
何回もの引っこしを味わった荒太がだれかと友達になる事はとても勇気がいることだと思います。荒太がクワガタ君に、「ともだちになろっ。」と言ってからクワガタ君が学校にこなくなったので、荒太は自分をせめたけど、その行動は正しかったと思います。ぼくにははずかしくてとうてい出来ないと思います。その勇気があったからこそクワガタ君と友達になれたんだと思います。とてもなぞの多いクワガタ君のことをもっと知りたいとぼくも思いました。
荒太はクワガタ君がからかわれている所を助けずに、かくれて見ていました。だから荒太は、その夜、悪むを見たんだと思います。自分は、ひきょう者だということをみとめざるをえなかったんだと思います。「きりんゆらゆら」の詩のように、関心をもっただけで相手に近づいて、その相手がこまっている時に心をあっちにおいている。荒太は自分で、自分がゆるせなかったんだと思います。
この本は、人の死をのりこえるつらさ、苦しさも問いかけてきたと思います。半年前の事故で死んでしまったクワガタ君の兄の死をまだ受け入れられないでいるお母さんは、クワガタ君を兄とかさねて見ていました。そのお母さんに本当のことを言うのは、言う方も言われる方もとてもつらいと思います。一方、クワガタ君は、事故のせきにんが自分にあると思いこんでおり、心のきずになっていました。原因の缶ジュースのことはふだんは忘れさっていたほどです。自分が兄のようにふるまうことで、お母さんをきずつけないようにし、本当にお母さん思いだなあと思いました。クワガタ君は本当はこのままではいけないと思っていたけど、言えなくてだれかの助けを求めていたと思います。荒太との出会いが、クワガタ君に勇気をあたえました。荒太自身もきりんの様ではなく、自分をぶつけて本音で語れる友を作る勇気を持つことができました。おたがいに力をあたえ、一+一が二以上の強さを持つことができる、ぼくは、本当の友情はこれだと思いました。人の心には弱い所があります。でも、信じられない様な強さとかのうせいもあって、よい出会いがあれば、良い変化は必ず起こるものだと強く感じました。
最後に「あき」とよぶ声がします。あれは、きっとお母さんの声だと、ぼくは思っています。
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