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受賞作品 感想文部門
「サルくんへ」
岸本 優希
鳥取市立稲葉山小学校2年
「サルくんとブタさん」 汐文社 |
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まどのそとを見たら、木のはがあそんでいるようにゆれていました。きっとゴーゴーと強い風がふいているんだろうなと思いました。ブタさんは、まどをあけても聞こえないんだね。だれもいない公園みたいなんだ。子どもたちがあつまると、にぎやかで、わらい声が広がって楽しいのにね。
サルくんは、ブタさんを、何も聞こえないせかいから出してあげたんだね。むずかしかったでしょうね。ブタさんの心にいっしょうけんめい話しかけんだね。「ザバン」って、字に書いたらかんたんだけど、何とか分かってもらおうと体全ぶで、つたえようとしたんだね。黒いくもを、ぴかあっと太ようがおしのけるみたいに、ブタさんの心を明るくしたんだ。ふえの音が聞こえると、どんなに遠くにいても、
「ブタさんがよんでいる。いかなくちゃ。」
と、とんで行ったんだろうな。ブタさんは、自分のことを思ってくれるサルくんの気もちがうれしかったろうな。人の心を思う、やさしいサルくんみたいになりたいよ。やさしい気もちは、人をしあわせにするんだね。
友だちの山下さんもそうだったよ。地いきたんけんでデイサービスセンターに行った時、おばあちゃんの目を見てゆっくり話していたよ。耳が遠いおじいちゃんには、耳元で話しかけていましたよ。サルくんみたいだったよ。にっこり、やさしい声で。だから、はじめはおこったような顔をしていたおばあちゃんたちもえ顔になって、二人がわらい合っていたよ。さい後までようく話を聞いてあげていたしね。山下さんは、おばあちゃんの気もちの中に入ったんだよ。サルくんみたいだね。
サルくん、わたしの名前は、優希だよ。かなしんでいる人のそばにいてやさしくきぼうをあたえる人になってほしいと、お母さんとお父さんがつけてくれたんですよ。人の心のまどをあけるのは、私なんですね。聞こえない声や音に、耳と心をかたむけたいです。 |
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