鳥取県は26日、中山間集落の見守り活動を3年以上継続している県内11団体に感謝状を贈った。一人暮らしのお年寄りや高齢者世帯の見守り活動を続けており、火災の発見や延焼防止、人命を救うなどの具体的成果を挙げている。
県と県内市町村は2008年度から、新聞配達や買い物代行サービスなど中山間地域で活動を行う事業者などと順次協定を締結。事業者は日常業務の中で住民に何らかの異変を察知した場合、市町村に連絡・通報することにしている。
表彰されたのは新日本海新聞社、日本海新聞を発展させる会、安達商事(伯耆町)、福祉理美容・ヒオキ(倉吉市)、菅福元気邑(日野町)など。いずれも制度が発足した08年度に協定を結び、継続して住民への声掛けや見守りを継続して展開してきた。
授賞式で平井伸治知事は「高齢化が進み、コミュニティーの維持が難しくなる集落が増える中、住民を守る目や(異常を)知らせる足となっていただいている」と感謝の言葉を述べた。
本紙販売店で組織する日本海新聞を発展させる会の成川勝敏会長(68)は「今後も見守り活動強化月間などで県内全販売店に周知し、地域の方に安心感を持っていただくよう活動を続けたい」と決意を新たにしていた。
県内では08年度からこれまでに47の団体・事業所が見守り活動協定を締結。新聞配達中にマンションで火がくすぶっているのを見つけて延焼を防いだり、家の中で人が倒れているのを発見して命を救うなど、77件の通報事例があった。
「新聞と一緒に安心をお届けします」を合言葉に、新日本海新聞社と全販売店・通信部は3年前の2008年4月、「安心・安全見守り隊」を発足しました。
約2千人の新聞配達・集金ネットワークを活用し、日ごろの業務を通じて地域の独り暮らしのお年寄りの安否確認や広く声掛け運動を展開し、各関係機関と連携して地域住民の安心・安全をサポートしています。
見守り隊は鳥取県と中山間集落見守り活動協定を交わし、今年3月、功績が優秀だったとして生山販売所・通信部(日南町)の逸見典子所長と佐治販売所・通信部(鳥取市佐治町)の竹本敏枝さんの2人が県から表彰されました。
2人はそれぞれ新聞がたまっていた高齢者宅から倒れている家主を発見し、救急車を呼ぶなど適切に対応したことが評価されました。
このほか、見守り隊は早朝に徘徊(はいかい)している高齢者を保護したり、火災を未然に防ぐなど地道に成果を上げています。また、交通安全県民運動に合わせて活動を強化するなど、地域のセーフティーネット的役割を果たすため、読者とともに歩んでいます。