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受賞作品 感想文部門


  鳥取県知事賞
「叶えたい夢」

桑原 涼奈さん
米子市立車尾小学校6年


『わたしには夢がある』(光村教育図書)


 「わたしには夢がある」この本の題名を聞いた時、頭からはなれなかった。わたしにうったえかけているようだったからである。この本の作者は、どんな夢を持っているのだろう。わたしにも夢があるけれど…。

 作者マーティン・ルーサー・キング・ジュニアのことを知らなかったわたしは、まず作者について調べてみた。わかったことは、アフリカ系アメリカ人公民権運動の指導者として活動し、「アイハブアドリーム。」(わたしには夢がある」で知られる有名な演説を行ったこと、三十九才で暗殺されたこと。そして、「キング牧師」の名で、今でもよく知られているということだ。

 これらをふまえて読んでみると、演説の中にこんなメッセージがあった。「谷はすべて身を起こし、山と岡は身を低くせよ。けわしい道は平らに、せまい道は広い谷となれ。主の栄光がこうして現れるのを、内なる者はともに見る」

最初に読んだときは、意味が全く分からなかった。何を伝えるために、このような表現をしたのか。分からないまま、頭の中をこの言葉がずっと回っていた。だから、キング牧師になったつもりで、自分なりの解しゃくを考えてみた。「谷はすべて身を起こし」これは、黒人が白人からの差別に立ち上がること。「山と岡は身を低くせよ。」これは、白人が黒人への差別をやめること。「けわしい道は平らに」これは、激しかった差がなくなること。「せまい道は広い谷となれ。」これは、世界の視野が、大きく広がっていくことを意味していると考えた。キング牧師は、そんな日が必ず来ると強く願っていたのだ。わたしはキング牧師が、何を伝えたかったのかが、わかった気がした。世の中から人種差別がなくなり黒人も白人も、みんなが笑って過ごせる毎日を夢見ていたのだと。

キング牧師の夢は、叶ったのだろうか。人種差別反対運動を続け、公民権法の制定という成果を挙げた。また、ノーベル平和賞を受賞し、歴史に名を残すこともできた。

だが、今でも人種差別は続いている。アメリカで、白人警官が黒人を射殺するというニュースを聞いた。日本でも、黒人という理由だけで、アパートやマンションへの入居を断られるという現実がある。キング牧師の夢はまだ最後まで叶ってはいないのだ。

人種差別だけでなく、人が人を大切にしないことは、身近にもあると思う。人を見た目や、ちょっとした印象で決めつけること、こそこそかげで悪口を言うこと。まず、これらをやめていくことが、差別をなくすことにつながるのではないだろうか。

わたしには夢がある。それは、学校の先生になって、たくさんの子どもたちを笑顔にすることだ。いじめや差別で悲しむ子どもたちを救いたい。そして、すべての人々が自由と平等になるというキング牧師の夢を、わたしも一緒に叶えていきたい。


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主   催 鳥取県学校図書館協議会、新日本海新聞社
特別協賛 鳥取支社
協   賛 鳥取県教科図書販売会社、鳥取県書店商業組合、鳥取県教育文化振興会
後   援 (公社)全国学校図書館協議会、鳥取県、鳥取県議会、鳥取県教育委員会、鳥取市教育委員会、米子市教育委員会、倉吉市教育委員会、境港市教育委員会、岩美町教育委員会、八頭町教育委員会、智頭町教育委員会、若桜町教育委員会、三朝町教育委員会、湯梨浜町教育委員会、琴浦町教育委員会、北栄町教育委員会、日吉津村教育委員会、大山町教育委員会、南部町教育委員会、伯耆町教育委員会、日南町教育委員会、日野町教育委員会、江府町教育委員会、鳥取県町村会、鳥取県町村議会議長会、鳥取県市町村教育委員会研究協議会、鳥取県市町村教育委員会教育長会、鳥取県小学校長会、鳥取県小学校教育研究会、鳥取県国公立幼稚園・こども園長会、鳥取県私立幼稚園・認定こども園協会、鳥取県子ども家庭育み協会、鳥取県図書館協会、鳥取県PTA協議会、鳥取県公民館連合会、鳥取県子ども会育成連絡協議会

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