理事 山陰支社長
佐伯 祥一氏
地域振興に力尽くす
−昨年は山陰鉄道120年。来春には新型やくもがデビューします。開通以来、山陰鉄道は地域の発展に深く関わってきました。原点を忘れず、安全で安心していただける輸送サービスを提供し、地域交通の使命を全うするとともに、皆さまにご支持いただける存在でありたいと思います。
特急やくもは、車体の制御方式を一新し乗り心地を大幅に向上させた車両に入れ替える予定です。やくもは、年代を超えて皆さまの思いが詰まった列車です。乗務員だけでなく、駅係員や地上設備社員を含めた全員でやくもの伝統を守りながらサービスを進化させていこうと「やくもプロジェクト」を立ち上げました。車両デザイナーの川西康之先生を交えておもてなしに磨きをかけています。
−山陰の地域振興にも積極的です。
JR西日本は「地域共生」を掲げ、沿線の地域づくりに参加させていただいています。2月に鳥取県や県内19市町村の皆さまと鉄道ネットワークを活用した地域づくりなどの協定を締結しました。
2025年に大阪・関西万博が開催されます。それに向けて観光型のMaaS(マース)(ITを活用した次世代移動サービス)が関西で始まり、山陰でも来冬ごろに導入予定です。共通のプラットフォームを使うことになりますので、さまざまな方々と協働しながら交流人口、関係人口の拡大に貢献したいですね。
−“鉄道のまち”の米子では8月に米子駅南北自由通路が開通します。
通路と併せて米子駅が生まれ変わり、グループ会社のJR西日本山陰開発株式会社が建設する商業ビルも誕生します。これを契機にした駅周辺のにぎわいづくりに向け鳥取県、米子市、米子商工会議所をはじめ、さまざまな皆さまと方針や思いのベクトルを一致させて力を尽くします。
−地域のために、これからも大きな役割が期待されています。
地域課題解決のお力になれたらと、代表的な取り組みとして、グループ会社の後藤工業株式会社が共同企業体をつくり米子市下水道の終末処理場の運転と維持管理の業務を受託させていただく運びとなりました。地域のお役に立てるよう私たちが持つ資源やノウハウを生かしながら、しっかりと取り組んでいきます。