代表取締役社長
新井 義一氏
設備導入で雇用拡大
−業績をけん引する「月光ドリル」の販路拡大に力を入れています。「月光ドリル」は特許を取得した三日月形の先端刃により、切削が難しいステンレスの穴開けがスムーズにでき、切削抵抗が少ないため摩擦熱が生じにくく、電気消費量も削減できるといった特徴があります。
これまで海外や全国の展示会で実演販売し業績を伸ばしてきましたが、コロナでそれが困難になりました。
そこで、動画の充実を図り、芸人とのコラボ動画やドリルでステンレス板に穴を開けイラストを描く「ドリルアート」をSNSで公開したところ大きな反響があり、製品評価にもつながりました。
営業に出向くことも大切ですが、展示会では出会えない人たちもたくさんいます。今後はもっと世界中に発信できるようなSNSの使い方ができればと考えています。
−国内、海外での今後の事業展開は。
ワークライフバランスを含めこれからの営業の在り方を考えると、出張に行く営業スタイルを変えていく必要があります。まず今年中には東京と九州に営業所を置いて現地採用でスタッフを拡充していき、集中的に営業できる体制をつくっていきたいと思います。
コロナ禍の活動制限によって売り上げが微減した海外展開にも力を入れていきます。現在20カ国以上で、主に自動車車体修理関係の業種と月光ドリルの取り引きをしています。今後は医療業界や航空機業界などでの採用を目指して準備を進めています。
−12月に新しい設備を導入する狙いは。
一つは企業を成長させていくこと。もう一つはサプライチェーンの構築です。急激な為替変動やコロナなど、外部の影響で製品を作れないことがメーカーにとって一番の痛手です。
外部がどう変化しても製品を確実に供給できる体制づくりが必要です。新しい設備の導入で新たな雇用も生まれ、企業の成長にもつながっていきます。
−地域貢献への思いは。
われわれの地域貢献とは、会社を大きくし雇用を拡大していくことです。若者に「ここで働いてみたい」と思ってもらえる企業になるよう、さらに業績を拡大していくことが一番の貢献だと思います。