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代表取締役社長

櫻井 誠己氏

EV普及で未来拓く

 −電気自動車(EV)の販売台数が伸びています。地元ディーラーとしてどのように受け止めていますか。

 日産は2010年、量販車で日本初のEV「リーフ」を発売しました。昨年は初の軽EV「サクラ」がデビューしています。サクラは、女性のお客さまが多く、近場の運転では航続距離も気になりません。自宅充電が可能で、高速道路を走るとガソリン車に比べて加速が良くて快適です。減速もeペダルの操作だけで簡単にできます。サクラに乗って「軽自動車はEVがいい」というお客さまが増えてきました。山陰地方は軽自動車の普及率が高く、予想を上回る人気を実感しています。

 −日産自動車は今年2月に米子市とEVを活用した連携協定を締結しました。

 日産が推進する日本電動化アクション「ブルー・スイッチ」の一環で、脱炭素と防災強化に向けた協定です。EVの普及はカーボンニュートラルの実現につながります。同時に「走る蓄電池」として災害時の電源として活用できます。同じグループの日産プリンス鳥取販売、島根日産自動車、日産サティオ島根の3社はブルー・スイッチ活動を推進しており、島根県側は美里町、邑南町と提携し、鳥取県では米子市が第1号になりました。環境と防災対策でメリットがあり、周辺自治体へ広げていきたいと思います。

 −山陰酸素工業のグループ企業としての展望は。

 今後、モビリティ社会の中核がEVに移ると、自動車業界はエネルギー分野とつながっていないと成り立ちません。移動手段であるモビリティとエネルギーのデバイス(接続)の役割が大切です。同じグループにエネルギー業種の山陰酸素工業があることは、利便性に優れ、他社にはない強みだと考えています。

 −地域とともに歩むメッセージをお願いします。

 企業の存在意義は、地域を豊かにしたり、住民を幸せにすることにあります。若い社員たちも、そのような会社を求めています。地域イベントの関連では、これまで皆生トライアスロンや米子―鳥取間駅伝に協力するなど、各方面で取り組んできました。本業があっての地域貢献であり、EVの普及で地域を守ったり、ショールームなどを住民のために役立てていくことも、これからの流れになってくるのではないでしょうか。
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