代表取締役社長
松田 欣也氏
循環型の社会を創造
−今、マルイが目指していることを教えてください。今年は、食の専門家集団を目指すスペシャリティー計画の2年目。食育活動を通じ健全な食生活をサポート、また鮮度やおいしさにもこだわった付加価値の高い食材・食品をお届けできるよう人材育成や商品開発に取り組んでいます。食を通じ家庭の幸せをお客さまと一緒になって築き上げていく、それがマルイの使命。特に鳥取県産のものを地元の食卓に届け、地域の中で循環させる持続可能な社会の実現に貢献していきます。
−SDGsの達成に貢献すべく、地域で多彩な活動に取り組んでおられます。
「食べることは生きること」。この理念を基に2006年、全国に先駆けて食育推進室を設け、特にこれからの未来を担う子どもたちに食の大切さを伝える活動を行っています。例えば健康を意識した鳥取短期大とのお弁当共同開発や食の楽しさも体験できるマルコラ(フードフェスタ)を開催しています。
地域の子どもたちがより質の高い教育を受けられるよう、寄付付き商品販売で支援しています。マルイグループのNPO法人を通じ、県内の小学校に贈った寄付額は15年4月〜22年9月までの累計で約4800万円に上ります。
−デジタルトランスフォーメーション(DX)が生み出すものは。
マムハートカードと連携し、販売データを店舗での商品展開や最適な商品提案に生かしてきました。今後は完全セルフレジや商品の自動発注システムの導入などで業務の効率化と改善を徹底。生産性向上と付加価値を追求し、お客さまへさらなるサービスの還元を目指します。昨年は各種商品の情報やクーポンを届けるLIN(ライン)Eミニアプリも導入。DXにより捻出される人材と時間が新たな挑戦を促し、経営基盤の強化につながることを期待しています。
−中山間地域の買い物対策に関心が高まっています。
日常の買い物に不自由されている人たちのため、ネットスーパーを充実します。岡山県内の一部では昨年からスマホで注文できる新システムを試行しており、鳥取県内でも導入する方向で準備中です。マルイグループの「エスマート」が展開する移動スーパーの増車も検討中。買い物の利便性を高め、存在価値を発揮できればと思います。