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代表理事組合長

清水 雄作氏

地域のよりどころに

 −今年4月、組合長に就任されました。

 鳥取県東部15市町村の農業協同組合が合併し「鳥取いなば農業協同組合」となり、今年で28年目。全国一の購買高を誇り、経済事業を展開する「マンモス農協」というキャッチフレーズで発足した同グループですが、これから30年の節目を迎えるにあたり、どう組み立て31年目以降につないでいくか。とても大切なタイミングであり、正念場だと感じています。

 −農業を次世代につないでいくためには。

 法人、兼業農家が一緒になって生産意欲を盛り上げていく工夫が必要です。農作物は品目ごとに課題がありますが、中でも果樹は就農のハードルが高く、サポート体制が重要です。また、新規就農者には生産が可能になるまで他農園の応援を促し、機械化できない袋がけなどの作業を担ってもらうことで、人手確保にもつなげたい。組合では、2020年7月に農業労働確保事業として選任部署を設置し、求人と求職のマッチング機能を拡充。就農者向けの勉強会も行っています。

 −県を代表する農作物の生産拡大については。

 稲作は「特A」を取得している「きぬむすめ」「星空舞(ほしぞらまい)」が重点品種。まだ若い品種なので、安定生産と高品質となるよう指導体制を強化し、普及推進に力を入れていきます。野菜のメインは「鳥取・ふくべ砂丘らっきょう」。地理的表示(GT)保護制度に登録されて8年になりますが、さらなる販売数向上につなげていきたい。果樹ではまず梨。二十世紀、新甘泉(しんかんせん)のリレー出荷で早生から晩生までをカバーし、安定供給を目指します。「こおげ花御所柿」の実がなっている風景は見事で「地域の宝」。これら先人からの贈り物を生産者と一緒に守っていきたい。

 −地域とのつながりは。

 「地域の心のよりどころとなる組合に」という歴代組合長の考えは踏襲。存在意義を持続するために努力し、地域の皆さまに「利用してよかった」と思ってもらう組合にしていかなければならない。地域貢献活動としては食の大切さを伝える事業を農家の方と一緒に展開。その一つが幼稚園や小学校の子どもたちと行う田植えや野菜、果樹の収穫体験。食を通じて地域を知ることは、とても大切なことだと考えています。
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