代表取締役
柴崎 明郎氏
心と体の幸せに貢献
−110周年記念誌を発行されました。1912(大正元)年に酢屋として創業し昨年11月、110年を迎えることができました。時代の変遷の中で常に存在意義を問い続けた結果が今につながっています。入社10年未満の社員が多くを占めていますが、先人の挑戦とご苦労、支えてくださった方々がいたからこそ今があるという感謝、そして、たすきを引き継ぎ新たな挑戦をしていこうという思いをみんなで共有しているところです。
−商品づくりで大切にされていることは。
一つはこの地にあるからこそのモノづくり。発酵技術により、地域の素材を生かし地場産業に役立てようという取り組みの中からお客さまとのつながりをつくる商品群が生まれてきました。もう一つは心と体の幸せに貢献したいという思い。食は「必要な栄養を摂取する」だけでなく、大切な人、家族においしいと言って食べてほしい、わが子に健康に育ってほしいと願い「つくる」、そして「ともに食べる」。幸せを分かち合うだんらんこそが「食事」であり家庭料理。そのお役立ちになることです。
−海外への販路開拓を進めていますね。
日本の食文化、おいしさをこの地から届けていきたいという思いです。台湾、シンガポール、米国で少しずつ実績をつくっています。今年は日常を取り戻す年。積極的に現地の展示会・商談会に参加して将来を担う新たな販売チャネルをつくっていきます。
−今後の展望を。
これからの事業者が求められるのは、持続可能な社会への役立ちになることと考えます。誰もが活躍できる社会実現のために、誰もが毎日の大切な食事の作り手となり、大切な人とのだんらんで心と体の幸せが実現できる、そんな商品・サービスづくりに存在価値をつくっていきます。
わたしたちのまちは、世界に先駆けた超高齢化社会の“最先端”を進んでいます。今一度原点に戻り、地域の素材、水産資源、米・但馬牛などの農産資源に磨きをかける商品づくりをします。また、自社農場の「花」を観光資源に、この地だからこその農業・観光への取り組みも進めています。新たな挑戦、地域との協働の中から将来のこの地における価値をつくることができると信じています。