代表取締役

田中　正彦氏

ご縁をつなぎ未来に

　−Ｍ＆Ａ（企業の合併・買収）で多くのグループ会社を展開しています。

　約１０年前に交流のあった福岡のビルメンテナンス会社から「後継者がおらず、さんびるに任せたい」と依頼がありました。「せっかく作った会社を後継者不在が理由で締めるのなら、人助けの気持ちでやりましょう」と、受けたのが始まりです。その後、銀行などを通してＭ＆Ａの話が来るようになり、多くの会社を引き受けましたが全て後継者が不在の会社です。会社の社員の生活場所をきちんと守りながら、さんびるの文化を広げることで、地域に必要不可欠な会社に変化するチャンスでもありました。

　−社員とその家族の幸せ感を追求しています。

　胸を張って自分の子どもにも「いい会社だ」と言える社員を増やそうと取り組んでいます。まずは社内の風通しを良くして、皆が家族のように接する会社にしようと「フルネーム、さん付け」で２００３年から呼び合っています。もちろん、社長の私も「正彦さん」です。

　道の駅や複合施設の指定管理、介護予防サービス、学童塾、卓球教室なども手がけ、皆さんと触れ合うことで、周囲からの評価の変化を良い意味で実感しています。

　−ビジネスパートナーの視野で海外人材育成も手がけていますね。

　人手不足の解消のためベトナムから実習生を約２０人受け入れています。実習期間終了後に、海外で一緒にビジネスができないかを探る担当部局を作りました。さんびるで学んだ技術や日本の文化のおもてなしと、実習生の運動能力やＳＮＳの活用能力の高さを融合したサービスの構築を、４年後の社の５０周年に向けて海外事業展開の組み立てを進めています。

　−地域との関わりやつながりを推進しています。

　南海トラフ地震など大きな災害が発生したときに迅速に対処する、国際地域ボランティア活動チームを今年、新設しました。岡山の医療奉仕団体と連携して、社やグループでできることを見つけ出し、取引先に声を掛けながら物資や運送関係の協定の構築を進めます。５０周年に向けて「さんびると関わると誰でも幸せになれる」と言ってもらえるような「温かい」会社になるため、どんどん地域との関わりを深めていきます。