代表取締役社長
松下 顕吾氏
品質の高さを強みに
−印刷業界や会社を取り巻く現状はいかがですか。大変厳しい環境が続いています。コロナ明けには活気が戻るという期待感を持っていましたが、ふたを開けてみれば仕事は低調でコロナ前の仕事量は戻っていません。それでも逆に好機と捉え、多能工化の推進、働きやすい環境づくりといった社内改革を行い、会社が成長できる体制を整えることができました。
−M&A戦略で積極的に事業承継を展開しています。手応えや強みは。
印刷需要の低迷を機にM&A戦略にかじを切りました。別業種の事業は思った以上に違いがあり、まだまだ手探りです。それでも経験として分かってきたのは、どの会社にも核となる何かがあり、そこにフォーカスし直すことが最優先であること、最後は人であるということです。また、M&Aにより企業同士が相乗効果を得られるよう差配することで、さまざまな面で成長が見込めるという点が今後の強みになるかと思います。
−農業参入したショウガは、地元の新たな特産品としても注目されています。どう成長させていきたいですか。
味・効能・歴史のそろった鳥取のショウガは、地域活性化の起爆剤として注目を集めていくと思います。高品質のショウガを栽培することはもちろん、そこに当社の本業であるパッケージやデザインといった付加価値、さらに販路開拓のノウハウを合わせることで地域産品として盛り上げていきます。今年は、イベントや出店など皆さまに知ってもらえるような活動を精力的に行いたいと考えています。また現在、新しい商標登録を申請しており、秋以降お披露目できればと思います。
−本格的にコロナ禍が明けました。今後の事業展開、取り組みたいことは。
当社は県内随一の設備を有し、達成すべき品質基準を高く設定しつつ、お客さまのニーズや予算に応じてさまざまな選択肢を提案できることを強みにしています。ショウガ事業に関しては、ありがたいことに香港や台湾などへの輸出を含め多くの引き合いをいただき、商談の機会を頂戴しています。印刷もショウガも、知っていただければ、選んでいただけるだけの品質があると自負しています。営業活動を含め、周知・広報活動に注力してまいります。