代表取締役社長
土井 一朗氏
食を彩り創業40周年
−創業40周年を迎えました。飲食業から始め、節目節目でいい人に出会い、教えられ、手助けしてもらって激しい時代を越えてきました。大学時代に打ち込んだ少林寺拳法には「拳禅一如」という言葉があり、これは実行と理念は一つ、という意味です。拳禅一如の精神を大切にし、情熱を持って頑張ってきました。
企業は、立派な経営者でなければ社員はついてきません。いざという時、社長が前面に出て社員を守ることを実践してきました。売り上げを大きくしていくことで、社員の待遇改善や福利厚生の充実にも力を入れています。
−人材育成については。
会社は一人一人の社員の集まりです。社長だけではなく、部分的にでも仕事を任せることができる人材が育たないと、会社は良くなりません。わが社には新卒社員を店長や料理長に育てる仕組みがあります。時代は変わっています。自分の中に“エンジン”を持つ人に育ってもらいたい。他人に頼ることなく、自分を信じ、情熱を燃やす人が世の中の役に立つと思います。
−県西部の魅力をブランディングする取り組み「大山時間」を展開されています。
地域とのつながりでは、私どもはケータリングセンター、外食産業、病院給食、地域商社で、地元食材を中心に価値あるものをつくっています。地元と深く付き合う中、5年前に地域商社を設立しました。全国のスーパー約500店が取引先です。地域で採れたもの、生産したものを全国に売り込む「窓」が開きました。今はスタートアップが終わって、自立・自走の段階に入っています。もう一度、「大山時間」は何を売り込むのか、何のためにつくったのか、何を成し遂げるのかを考え直し、志を同じくする人たちと一緒に全国市場を切り開いていきたいと考えています。
−今後の食に関わる事業を展望してください。
これからは、世界中からお客さまがいらっしゃいます。世界の都市では、さまざまな食べ物が日本の3〜5倍の値段になりました。このことは、食のビジネスにとってはいいことではないでしょうか。世界から、私たちが手掛けている質の高い食材を求められます。労働生産性の高いビジネスのできる時代がやって来ました。刺激を受けて、日本人の食に対する意識も劇的に変わっていくと思います。