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代表取締役

坂本 哲氏

人に寄り添うICT

 −9月で設立30周年を迎えました。

 地域情報化の担い手になることなどを目的に設立され、私が社長に就任してから10年。人材確保の難しさに直面しながらも社員200人、売り上げ20億円という先代から引き継いだ当初の目標は達成できました。首都圏の仕事を鳥取で担うビジネスモデルを実践し、下請けからの脱却にシフト。大手企業との直接取引も増え、2021年11月に実現した鹿島建設との資本提携は成果の一端です。

 −システム開発系を柱に事業領域も広がっています。

 私たちが今目指しているのは、エコとテクノロジーの先端技術を駆使した「次世代スマートシティ創造企業」への成長です。自社の電力利用、再生可能エネルギーの利用状況などを「見える化」できる電力トレーサビリティーシステムを販売し、企業の脱炭素経営を支えています。

 21年6月にスタートした超地域密着型生活プラットフォーム「Bird」はアクシスとして初めて取り組む消費者向けサービス。インターネットを活用して食品、処方薬などの宅配サービスを展開しており、域内循環型の地域経済構築を目指しています。また、あらゆる施設にICT技術を搭載したスマートビルの開発にも取り組んでいます。

 −地域貢献を使命と考え、鳥取県の未来を変えようと取り組んでおられます。

 フードロス、こども食堂支援を目的とした規格外野菜の販売など、現在実施中の活動を徐々にBirdに取り込むイメージを描いています。また、運営するプログラミングスクールには小学生低学年を中心に約100人が受講していて、未来のIT人材育成にも力を注いでいます。

 −持続可能な地域づくりを見据え、思うことは。

 スマート社会実現の鍵となる高齢者へのIT活用推進を含め、買い物や移動が不便な田舎をテクノロジーでどう支えていくかを考えるとき「人に寄り添うテクノロジー」というキーワードに行き着きます。Birdでやりたいのは地域コミュニティーの再生です。すべてを人力でやるのは非効率だから、いかにテクノロジーを加え、効率的にするかが肝。将来的に企業がラストワンマイルまで担うのは難しく、住民とのつながりやコミュニティーの再生は重要なポイントだと思っています。
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