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代表取締役

名越 宗弘氏

地元の魅力を再認識

 −コロナ禍で観光宿泊業は苦境に立たされました。

 売り上げがなくなり、生き残りをかけた厳しい3年半でした。生産性アップを含めて見直しを進め、「ヴィーガン料理&スイーツ」通販事業、高齢者住宅への食事提供など新規事業も始めて利益を上げましたが、まだ足りません。ワールド・ベースボール・クラシック日本代表監督の栗山英樹さんは「苦しい時がチャンスだ」と言います。運はつかもうと思わないと、つかめません。「明日は少しでも良くなる」とポジティブ思考を持つようにしています。

 ―アフターコロナで観光業に必要なことは。

 持続可能な観光地づくり。それには官民の協力が必要です。観光は官が引っ張ってくれないと、民間だけでは限界があります。観光庁がお金を出すのは、官民が一体となってやる気のあるところ。インバウンドも復活しますが、日本の良さは地方にあり、地方にこそ日本らしいものがあることを再認識すべきです。

 −倉吉観光MICE協会長・「赤瓦」社長としての取り組みも注目されます。

 よく言われるのは、倉敷はつくられた観光地だが、倉吉は「住民が暮らすところが観光地(白壁土蔵群など)で、生活感があるまち」です。そこに宿があり、1泊してもらえれば滞在時間は5〜10時間増えます。滞在時間と経済消費は正比例します。倉吉の特徴は古民家とか町屋なので、歴史的価値がある建物を活用した宿泊事業に取り組んでいます。県の富裕層向けモデル観光地、観光庁の観光コンテンツ造成などの支援事業にも採択され、赤瓦の高付加価値なインバウンド観光地づくりも最終段階です。これらは全てリンクします。倉吉は「いい物」がたくさんあり、富裕層を呼び込むキラーコンテンツを創出しないといけない。旅には「いい宿、いい買い物、いい食」が必要です。

 −地域との関わり、今後の展望を。

 県中部の玄関口・JR倉吉駅前のホテルとして、観光客らが改札を出て最初に広がる風景を見て「いいまち」と思ってもらえる責務を負っています。そして、若い人に地域の魅力を感じてもらうことが必要。最近、山登りを始め、初めて知った地元の魅力がたくさんあります。若い人の発想で新しいことをやっていける後押しをしていきたい。
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