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理事長

藤井 武親氏

原点は寄り添うこと

 ―医師を志したのは?

 幼少期に生物のおもしろさ、生命の不思議さを追求したい気持ちが芽生え、そこから人間の心、喜怒哀楽といった感情、人格形成に興味が湧き、医学の道に進みました。

 ―医療、介護福祉の連携をされています。

 父親が若くして胃がんを患い、自宅で終末期を過ごしたことが脳裏にあるので、健診、予防、在宅医療が開院時の基礎になりました。高度な医療の提供だけではなく、親身になって寄り添うケアがとても大事。その延長線上に訪問看護、老健、グループホームなどがあり、その人に適した環境を提供しています。人に寄り添うことが原点です。

 ―人生100年時代の到来が目前です。

 家族の幸せな形を考えないといけません。高齢者が家庭や地域、施設で役割を発揮できる環境づくりを進め、そして社会との関わりを持ち続けることが大切です。それを実現するための「人生100年研究所」をつくりたいと思っています。100年ある人生をどう元気に過ごすか―。高齢者、若者の役割とコミュニティーを構築する必要があります。「人生は二毛作」と言われます。定年後のセカンドライフは、それまでの歩みとは違う切り口で人生の楽しさを見つけ、仲間づくりが豊かさの鍵になります。

 ―倉吉シティホテルも手がけられ、観光宿泊業もつながっていますね。

 今後、インバウンドが本格的に回復するので、外国人客を鳥取県中部に呼び込む魅力を確立しないといけません。「中部の良い物100選」ではないが、県中部は地元の良さを再認識して「外国人客が感動するものは何か」を掘り下げないといけません。とりわけ台湾に注目し、鳥取から台湾への直行便誕生を期待しています。倉吉商工会議所副会頭も務めていますが、台湾との商業的な交流の話も出ています。企業研修、留学受け入れなど、さまざまな可能性を考えて幅広く動けば、好事例が生まれるでしょう。

 ―地域、住民、事業をつなぐことへの思いを。

 子ども、若い人、高齢者が利害のないところでつながるのが良い社会。幸福の追求を考えると、相手を認め、自分も認めてもらい、足りない部分を認め合うこと。感謝しながら、つながっていく社会づくりに貢献したい。
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