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代表取締役社長

宇田川正樹氏

元気で住み良い街へ

 −中心市街地のまちづくりに力を入れておられます。その背景とビジョンは。

 現在の中心市街地は明治時代以降、鉄道の駅と百貨店を中心に形成されました。人口減少が進み行政の財源も限られる今、都市機能が集約された中心市街地に人を呼び戻すために、住みやすい街に再構築する必要があります。角盤町エリアの核であるJU米子高島屋も、地元のお客さまのニーズに合った百貨店に変わらなければなりません。そのためには独立性が重要です。新しい血も入れつつ企業文化を変えていこうと、リニューアルを進めています。

 −角盤町商店街では地域通貨事業としてTポイントとTマネーを導入されました。

 昨年春のフードスタジオカクバンを機に導入したTポイントに、キャッシュレス決済ができるTマネーを加えて利便性向上を図りました。事業の成果として顧客動線が見えてきたので、今後はビッグデータを活用した市場分析を進めて、商店街全体の集客につなげたいと考えています。Tポイントは来春、Vポイントに統合されますので、より使い勝手の良い仕組みに変わることを期待しています。

 −フィットネス事業を通じ、市が進めるフレイル予防にも力を入れています。

 日本のフィットネス人口は約4%といわれます。敷居の高さを払拭し、ライフスタイルに合った健康維持のためのフィットネス活用を広めたいと思います。行政の取り組みは65歳以上が対象ですが、私がお勧めしたいのは、体力が低下し始める40代からのフレイル予防です。元気で長生きする人が増えれば、地域も元気になるはずです。

 −地域活性化の展望を。

 中心市街地活性化はJUグループの使命です。施設はある程度整ったので、今後はビッグデータなどの情報を活用して何をどう売るかです。お客さまが百貨店に日常消費行為を求めていないのであれば、そこに強いテナントに入っていただく。それは魂を売るということではありません。地元産品を売るためには、集客エンジンとして物産展や県外の商品も必要です。モノ消費から体験型のコト消費へ、時代や環境が変化する中で消費行動も変わっています。われわれの世代の価値観を一度捨て、次世代につながるまちづくりとにぎわい創出を実現したいと思います。
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