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代表取締役社長

坂口 ※平氏 ※は吉の士が土

社会のニーズつかむ

 ―奥出雲などを舞台にしてTBS系ドラマ「VIVANT」が話題となりました。

 福沢克雄監督は「半沢直樹」も手がけたヒットメーカーです。山陰の食、風景、人情すべてがお気に入りで、今回は櫻井家住宅、出雲大社などをロケ地に選びました。山陰合同銀行の山崎徹頭取も出演して反響を呼んでいます。

 奥出雲はVIVANTの聖地として脚光を浴び、撮影地見学ツアーが催行されるなど、多くの観光客でにぎわっています。鳥取砂丘はドラマのワンシーンを再現できる撮影スポットとして人気です。VIVANT効果で地域が活性化しました。

 ―「バナナマンのせっかくグルメ」でも、紹介された飲食店が大繁盛です。

 放送を見て全国から来店され、ゲストのファンも多いようです。テレビの発信力の強さを感じました。飲食に限らず、全国ネットの情報番組で取り上げてもらうことも県外発信に結び付いています。

 情報発信でいえば、ネットを通じた文字媒体が注目されてきました。山陰放送は、TBS28局のニュースサイト「NEWS DIG」の配信に力を入れ、上位をキープしています。記事や見出しを工夫し、実績を上げました。

 ―ラジオ放送も大きな転機を迎えています。

 地域限定の壁がradiko(ラジコ)によって無くなりました。いち早くラジコに参入しており、エリアにとらわれないコンテンツ制作に取り組んできました。交流サイト(SNS)との連動が評価されて、森谷佳奈アナウンサーがギャラクシー賞を受賞しました。ラジオを知らない若者は、スマホやタブレットで聴いています。地元イベントに森谷アナが登場すると北海道からでもファンが来る時代になりました。ラジオは新しい媒体として、次のステップが待っています。

 ―来春は創立70周年、将来展望を聞かせてください。

 私たちは情報産業で生まれ、情報産業で育ちました。過去も現代も未来も情報産業を核に生きていくのは間違いありません。ただし、情報の質も変わっていくので、地元の人が何を求めているのかを敏感に感じ取りたい。今、介護分野でも新たなビジネスモデルを構築しており、成果が出ています。地域貢献をしながら、社会のニーズをしっかりつかみたいと思います。
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