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受賞作品 感想文部門
挑戦することで自分を変える
福田 梨乃さん
琴浦町立八橋小学校6年 「海辺の宝もの」(あすなろ書房) |
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この本を読む前の私は、「勇気を出して新しいことに挑戦したい」という気持ちがあっても、常に「周りからどう見られているか」ということばかり気にしていた。発表も人任せ。間違っていたらいやだなという気持ちから逃げていた。でも、このままではいけない、そんな思いが私の心の片すみにあった。自分を変えたい、変わりたいと思っていた。そんな時にこの本に出会った。
「海辺の宝もの」この本は、イギリスで身分差別が厳しかった時代に、自らの手で自然科学という学問の扉を開いた女性、メアリー・アニングの子ども時代のエピソードが書かれた本だ。メアリーは、子どもの頃から変わり石集めが好きだった。父が亡くなった後も、父がしていた変わり石を売る仕事をつぎ、十二歳でイクチオサウルスの全身化石を発掘するなど、化石探しに生涯をささげた。
この本を読んで、メアリーはとても強い人だと思った。父に「石集めは女のすることじゃない。」と言われたり、友だちからも「石っこメアリー石むすめ。」とからかわれたりした時も、発掘の仕事をやめなかったからだ。そんな姿は、まるで私に「周りからどう見られてもいいから、自分の考えのとおりに行動しなさい」と語りかけているように思えた。
こんなメアリーにも弱点があった。それは、友だちとうまく付き合えないと思い込んでいたところだ。自分をからかう友だちに対し、「頭が悪い」とか「やかましい」と思っていた。でも、兄に「自分からにっこりしてごらん。」とアドバイスされ、少しずつみんなと関われるようになった。そして、仲良くするのは難しいことではないと気づいたのだ。
このことから、「人は変われる。」と改めて思った。メアリーも自分一人では変われなかったけど、周りの支えがあったから変われた。だから、周りとの関わりがどれだけ大切なのかも分かった。
私は中学年の頃から、自分の気持ちを押し殺して生活していた。友だちの気になる行動に対して、「やめよう」の一言が言えなかったのだ。クラスで様々なトラブルがある中で、「自分は自分」という思いで距離を置いていたのかもしれない。でも、それは、逃げの姿勢だと気づかされた。
自分も、だれかを支えられる人になりたい。そのためにも、まずは自分自身が思いを伝える努力をして、変わらないといけない。メアリーのように、周りの人と関わりながら、自分の思い通りに行動できる強い人になりたいと思った。
後三ケ月で中学生になる。新しい環境の中でたくさんの人と出会うだろう。様々な体験をするだろう。その中で、もっとすてきな自分になれるように心を磨いていきたい。
「挑戦することで、自分を変えられる。」この言葉を信じて。
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