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受賞作品 感想文部門
「大きな命」と「強い絆」
前田 美柚さん
琴浦町立八橋小学校6年 「鷹匠は女子高生!」(汐文社) |
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鷹匠といえば、年配の男の人の職業というイメージを持っていた。でも、本の題名に「女子高生」と書いてあったので、珍しいなと思った。また、表紙の写真を見て、「こわい」「凶暴」だと思っていた鷹がおとなしくてかわいく見えたので、もっとこの二人の関係が知りたくなり読んでみることにした。
この本の主人公、石橋美里さんは十七歳の女子高生。小学校の時にペットショップでクマタカに一目ぼれし、それから、もうきん類を飼い始め、いまでは日本でただ一人の女子高生鷹匠となった人だ。鷹のモモタローに出会い、飼うことで、いろいろなことを学んでいった。
鷹は生きている動物を捕って食べる。だから、新鮮なえさが必要だ。美里さんは近くの養鶏場からヒヨコを分けてもらいえさにすることを思いつく。はじめてヒヨコを見た時、「かわいい。飼いたい。」と思ってしまった。でも、鷹を飼うとは、ヒヨコの命を奪うことになる。「ダメ!できない。」という気持ちと鷹を飼うという責任とで悩んでいるうちに、自分自身も大きな命の連鎖の中に生きていることを実感したのだ。
生きているということは、何かの命をもらうことなのだと改めて考えさせられた。私たち人間は、動物や魚を食べて生きている。だから、いただく命に感謝して生きていくことが大事だと思った。「ね、おばあちゃん、鷹を使って害鳥を追い払うって平和な解決方法だよね。どっちの命も守ることだもの。だから、あの鳩たちは、きっとまた新しい居場所を見つけるよね。」これは、美里さんの言った言葉だ。ふつう害鳥を追い払う時は鉄砲で撃ったり、わなをしかけて捕獲したりする。でも、美里さんは鷹を使って追い払う方法を思いつく。それは、人間にとって害のある鳥にも命があること、どちらの命も尊いものだと実感しているから、無駄な殺生をしたくないと考えたのだ。
今、私は人権学習で、命の大切さを学んでいる。先祖から受け継がれた大切な命。一人一人が奇跡的に生まれてきたこと、誰もが平等に与えられた大切な命を傷つけたり、自ら命を絶ったりすることがないように周りのみんなを大切にしていかなければいけないことも学んだ。そして、この本を読んで、人だけでなく、生き物の命も大切にしたいと思った。
私は、昨年の十一月に福島にいき、学校で育てた苗木を植樹してきた。地震と津波でうばわれた自然を元に戻すためだ。震災によって多くの人が今まで大変な思いで生活されていることも知った。厳しい状況にあるのは動物も同じなのかもしれない。
鷹は絶滅危惧種だ。人間による乱獲や自然破壊が原因だそうだ。人間に追われた動物たちが自然に帰れるように環境を整えていくことも大事だと知った。だから、これからも、自然を守る行事に積極的に参加したいと思う。
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