− 有力校 話題校−
「第34回日本海駅伝競走大会」「南部忠平杯第29回くらよし女子駅伝競走大会」は5日、倉吉市営陸上競技場を発着点に開かれる。日本海に136チーム、くらよしに108チームがエントリー。秋の伯耆路で熱いレースを見せてくれそうな有力校、話題校を紹介する。
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充実布陣で復活目指す
諫早高 (長崎)
2014/10/03
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強豪復活の足掛かりにしようと全国入賞に闘志を燃やす諫早高 |
元世界選手権日本代表の藤永佳子を育てるなど90年代から力をつけ、2001、04年には全国制覇。「精神的なものを共同生活で鍛えた」。最も多い時には38人を自宅に下宿にさせる情熱で率いてきた松元利弘監督の下、一時代を築いた。
その名門も3年連続で全国20番台、4年入賞から遠ざかっている。理由は選手がそろわなくなってきたことだ。長崎県内トップクラスの進学校で入学は狭き門。松元監督は「今の中学生は専門的になってきて、勉強と陸上の両立が難しい。昔は『諫早で走るために勉強しよう』という子がいたが…」と話す。
今年出場すれば20年連続の都大路。その節目の年に明るい兆しがある。1年生から1区を任されたエース江口沙羅に、昨年都大路を経験した双子の川上さくら、わかば姉妹と、核になる3年生が3人そろう。
強豪復活へ大きな戦力も加わった。OGの藤永が地元に帰り、コーチに就任した。日本のトップにまで立ったランナーは母校の今をを「全国のトップを知らないので、全国でどう戦うか。その意識が低い」ととらえる。
藤永コーチの高校時代には朝5時半から朝練習があり、学校に行くまでの短時間でさえも部員同士がし烈に争った。現状にもどかしさを抱えながら、強さの伝承を自らの使命に課す。
「もっと頑張ればもっと違う景色があることを知ってほしい。でも少しずつみんなでやろうという風になってきた。今年は一つのチャンス」(藤永コーチ)
選手らにもその自覚がある。「入賞を目指している。まずはいろんなチームの力を知り、そこで自信をつけたい」と主将の川上さくら。試金石となる“くらよし”から、勝負の年の幕を開ける。
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【プロフィル】諫早高(男子校)、諫早女子高、諫早商業高の3校が1948年に統合され、男女共学の諫早高となった。2011年に付属中学を開校し、中高一貫教育を開始。県内屈指の進学校でありながら、陸上部も全国舞台で活躍している。駅伝女子は2001年の全国高校駅伝で初優勝し、2004年にも優勝。世界選手権日本代表にもなった藤永佳子らを輩出している。 |