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  高校生の部 優良賞作品紹介
中村 唯さん(香住高2年)
5月18日付日本海新聞 「女性役員3割達成困難54%」を読んで
 5月18日の日本海新聞に掲載された「女性役員3割達成困難54%」という記事を読みました。この記事には日本での女性役員割合を2030年までに3割にする政府目標について、達成が困難と回答した企業が54%に上ることを報じています。背景には経営層の意識の遅れや、女性の登用に向けた環境整備不足があります。均等法施行から40年たっても、企業の性別役割分担意識が根強く残っている現状が指摘されています。

 今回の記事を読んで、男女雇用機会均等法が施行されてから40年が経過しているにもかかわらず、依然として日本の社会に性別役割意識が根強く残っている現状に大きな驚きを覚えました。政府は2030年までに女性役員を3割にするという目標を掲げていますが、企業の54%が「達成困難」と回答していることは、目標と現実の間に大きな隔たりがあることを示しています。数字だけをみると「まだ半数以上の企業が無理だと考えているのか」と落胆しましたが、その背景には経営層の意識の遅れや、女性が活躍できる環境の整備不足といった深い課題があるのだと気づかされました。

 特に印象に残ったのは、女性リーダーのロールモデル不足や、育児・介護といったライフイベントを理由にキャリアを途中で諦めざるを得ない現実です。これは個人の努力だけでは解決できず、社会全体の仕組みの改善が不可欠だと感じました。女性が役員や管理職を目指すときに「自分にはできない」と思ってしまう背景には、先輩の姿が見えないことや周囲の理解不足があるのだと思います。逆に、成功している女性の姿が身近にあれば、次の世代も自然と挑戦しやすくなるはずです。

 また、経営層の意識改革の遅れも大きな問題だと感じました。企業のトップに立つ人が「女性の登用は必要ない」と考えている限り、制度や仕組みが整っていても実際の行動にはつながりません。私は、この問題は単に「女性を増やす」という数値目標ではなく、多様性を受け入れる企業文化をつくれるかどうかにかかっていると思います。女性だけでなく男性も含めて誰もがライフステージに応じて働き方を選べる環境が整えば、自然と女性役員の割合も増えていくのではないでしょうか。

 今回の記事を通じて、私自身も「女性だから無理」とか「男性がやるべき」という固定観念を無意識のうちに持っていないか考え直しました。社会の意識はすぐには変わりませんが、一人一人が考え方を見直し、身近な場で実践することで少しずつ変化を起こせると思います。2030年の目標達成は簡単ではないかもしれませんが、社会全体がこの問題を自分事として考え続けることが最も大切だと強く感じました。




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