トップページ

最優秀作品紹介
  ・第1回
  ・第2回
  ・第3回
  ・第4回
  ・第5回
  ・第6回
  ・第7回
  ・第8回
  ・第9回
  ・第10回
  高校生の部 優良賞作品紹介
中田 桜鈴さん(倉吉北高2年)
3月12日付日本海新聞 「亡き人思い生きていく」を読んで
 「東日本大震災14年」、私はこの文字に目を引かれました。14年前の3月11日金曜日2時46分、三陸沖を震源とする国内観測史上最大のマグニチュード9.0の地震が東北を襲い、多くの人の命を奪って多くの人の人生を変えました。

 私は14年前、当時2歳でした。当時の東日本大震災の記憶はほとんどありません。ですが、母から話を聞いたことはありました。東日本大震災が起こる10日前、私の妹は生まれ、母は病院のテレビで震災の中継を見ていたそうです。大きく揺れ動く建物、津波が押し寄せる東北の地、だんだんと大きく荒くなっていくニュースキャスターさんの声、テレビの中の全ての光景がとても恐ろしく悲惨だった、怖かったと聞きました。

 また、私が通ってきた小学校から高校までの全ての学校では東日本大震災の授業を受け、私は小学6年生で受けた授業で初めて詳しく現実を知りました。担任の先生が涙ながらに話してくださる当時のこと、住民の方が走って津波から逃げる動画、衝撃を受け、今でも鮮明に覚えています。

 東日本大震災から14年という時が流れました。14年たってもなお、いまだ行方不明の方々、大切な人が生きて元気な姿で隣にいることがない方々、私には計り知れない大きな悲しみを抱えながら生きる方々がいます。ですが普通、記憶は薄れていくものです。だからこそ、この記憶がただ悲しい悲惨な過去の出来事にならないために、これからを生きる人々を救うものになるために、私たちはこの記憶を、当時の出来事を「つなげていく」使命があると思います。14年前の3月11日を忘れてはならない、知ることや関心を持つことだけでも記憶の伝承はされていきます。私自身ももっと知りたい、今を生きる人々に少しでも知ってもらいたいと思っています。

 私たち人間に自然災害を防ぐことはできません。亡くなった方を生き返らせることもできせん。でも周りにいる家族、友達、先生、目の前にいてくれる人々を大切にすることはできます。今、生きている人は直接感謝や愛を伝えることができます。だから私は自分の命、目の前にある命、笑ったり怒ったりしながら過ごせるこの環境、今を大切にしたいです。人間と人間とが武器で、言葉で、機械で傷つけ合う世界は嫌です。新聞の記事の中にもありました。「命があればなんとかなる」。生きていること、一緒に生きてくれる人がいることが奇跡であることを忘れず生きていきます。

 誰かのために自ら動く、環境、関わってくださる方々に感謝する。当たり前だけどなかなか当たり前にできていないことをやり、人として成長することがこの先の自分が後悔しないこと、いつか大切な人を守ることになると信じて、今私は高校で日々学びます。




問い合わせ
新日本海新聞社 読者販売局読者センター
〒680-8688 鳥取市富安2丁目137番地
TEL:0857-21-2877(日・祝日を除く9:30〜17:00)

【主催】新日本海新聞社 、日本海新聞販売店会
【後援】鳥取県教育委員会、鳥取市教育委員会、米子市教育委員会、倉吉市教育委員会、境港市教育委員会、岩美町教育委員会、若桜町教育委員会、智頭町教育委員会、八頭町教育委員会、三朝町教育委員会、湯梨浜町教育委員会、琴浦町教育委員会、北栄町教育委員会、日吉津村教育委員会、大山町教育委員会、南部町教育委員会、伯耆町教育委員会、日南町教育委員会、日野町教育委員会、江府町教育委員会、新温泉町教育委員会、香美町教育委員会


トップページ 速報・地域ニュース主要・地域ニュースコラム・論説イベント案内購読申し込み

 当サイトの著作権について

 本ページ内に掲載の記事・写真など一切の無断転載を禁じます。すべての記事・写真の著作権は新日本海新聞社に帰属します。
 ネットワーク上の著作権について(日本新聞協会)