今回興味を持った記事は、若桜鉄道が3期連続の黒字を確保したことに関する記事だ。なぜその記事を選んだのかというと、若桜鉄道によく乗りに行っていたため愛着があるからである。さて、記事を見ると、本業である旅客収入は減少したものの、営業外費用の支出削減により、当期損益が約65万円のプラスとなり3年連続の黒字を確保したことが書かれていた。ただ、別途で詳しく調べてみると、今回の黒字化は線路の修繕費があまりかからなかったことが大きく作用した結果ではないのかという考えに着地した。ここで疑問が頭に浮かんだ。それは、「来年以降も黒字経営を継続できるのか」ということだった。今年黒字化に大きく貢献したのが、線路の修繕費減少とオリジナルグッズの発注量の見直しなどの経費削減であれば、今年だけの結果になるのではないのか?と考えた。
記事には「上川社長は『グッズ販売などの営業外事業にも引き続き注力し、持続可能な経営ができるよう努力したい』と話した」とあったが、これでは果たして持続可能な経営に結びつくことが出来るのか。それについて私の意見を述べたいと思う。
先ほど、「今年黒字化に大きく貢献したのが、線路の修繕費減少とオリジナルグッズの発注量の見直しなどの経費削減であれば、今年だけの結果になるのでは?と考えた」と書いたが、なぜそう考えたのかというと、まず、線路の修繕費減少についてだが、たまたま今年少なかっただけではないかということだ。企業努力で抑えていたならば大変失礼な話なのだが、鉄道会社にとって線路いうものは消耗品であると思うと、毎年いくらかは修繕費がかかるだろうが、年によってその総額は違うのではないのかと思う。ある年は長い区間の修繕になるかもしれないし、はたまたある年は短い区間の修繕になるかもしれない。なので、毎年線路の修繕費減少を期待することは無理である。
次にオリジナルグッズの発注量の見直しなどの経費削減についてだ。これに関しては今年の決算に際してできる限りの経費削減をしたのだろうと考えると、当期損益の65万円の差は来年以降どんどんと縮まっていくのではないのか。そうなるといずれ赤字に転落することも考えられる。なので、今年行ったこと以外に何か他のことをして、支出削減に努めるか、逆になにかイベントを起こして(例えば、新しい普通観光列車「明治号(仮)」とか、SLとディーゼル機関車を先頭にして人を乗せた客車をけん引するとか)収益を上げるしかないと考える。
これまで赤字になりそうだとかと苦言を書き連ねてきたが、もともと赤字だった経営を3年連続の黒字にしたことは本当にすごいことだと思う。赤字の第三セクター鉄道も多い中なので余計にすごいことだと思う。だからこそ、これからも黒字経営を継続してもらいたいのである。
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