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受賞作品 感想文部門
「お願い!フェアリー ダメ小学生、恋をする。」を読んで
横山 ひとみ
琴浦町立八橋小学校5年
「お願い!フェアリーダメ小学生、恋をする。」ポプラ社
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「いちばんたいせつなのは自分の気持ちに正直に生きること。人生は失敗するためにあるんだ」これは、物語の途中に出てきた言葉。いつもそばでいるかを見守っているフェアリーが伝えた言葉だ。
はじめて読んだとき、何か変だなと思った。人生は、成功するためにあるんじゃないの。失敗するためにあるなんて…。そんなことを頭に浮かべながら読んでいった。でも、読み進めていくうちに、その言葉の本当意味がわかってきたような気がする。
主人公のいるかは、ぜん息持ちで、チビだし、ガリだし、担任の先生にまで、感性がずれているって言われていた。だから、自分に自信がなくて、やる前から何でもあきらめてしまうような女の子だった。
そんなとき、フェアリーが現れた。フェアリーを何かに例えるとしたら、すごく信頼できる親友か親みたいな存在かな。フェアリーが、いるかの気持ちに寄り添ったり、いろいろ助言して、いるかを支えてくれたおかげで、いるかが少しずつ変わっていった。
一番のきっかけは、五年三組のげきの脚本係になったことだ。気になっていた男の子、柳田くんがすいせんしてくれたこともあって、徹夜して書き上げた。でも、自信のないいるかは、失敗をおそれて、「持っていきたくない」と言いだす。そんなとき、フェアリーはあの言葉を伝えた。「まわりはどうだっていい。いちばん大切なのは自分の心」だと。
そして、今まで心でいろいろ考えていても、周りを気にして何も出来なかったいるかが変わっていく。
「私にだってけいこを見る権利がある」
「チビとけいこと、なんの関係があるの!」
自分の今の気持ちを精一杯伝えたいるか。結果的には、けいこから追い出された形にはなったけど、いるかにとっては、自分の気持ちを言えた大きな進歩だったと思う。
私も、いるかに似ているところがある。苦手なことからにげてしまうところだ。
五年の春、私ははじめて陸上のリレーメンバーに選ばれた。うれしい気持ちもあったが、自信がないし、練習がきついしで、心が逃げがちになっていた。でも、今はちがう。父や母、友だちや先生に支えられ、苦手なこと、いやだと思う心から逃げず、立ち向かおうとしている。
この本を読んで、私自身、周りの人にたくさん支えられて変わってきたんだということに気づかされた。
「失敗など気にすることはない。自分の気持ちに正直になって、思ったことを挑戦しよう」
この言葉は私の宝物となった。これからも失敗を恐れずいろいろなことに強い心で立ち向かっていきたい。また、私自身もフェアリーのように誰かを支えられる人になりたいと思った。
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