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受賞作品 感想文部門


  新日本海新聞社社主賞
『つくも神のゆゆばあ』を読んで

八原 真由
米子市立福生東小学校3年


「つくも神のゆゆばあ」 くもん出版


  「物を大切にしなさい。古い道具でもまだ使えるよ。まだ使ってちょうだい。すてないで。」

わたしは、この本をよんで、ゆゆばあからそう言われてる気がしました。

 この本は、小学三年生のみずきが、冬休みにお父さんといなかのひいおばあちゃんの家ですごすことになり、うら庭の土ぞうのおくで「ゆゆばあ」という湯たんぽのつくも神に出会うお話です。つくも神は、うまれて百年たった道具がたましいをもち、じざいに動けるようになったようかいのことだそうです。でも、だれにでも見えるというわけではありません。みずきには見えるけれど、お父さんやほかの人には見えませんでした。つくも神は、いつまでも大切に使ってくれる人をさがして、その人だけには見えるのです。

 わたしは、お父さんお母さんとおじいちゃん、おばあちゃんの五人家族です。おじいちゃんやおばあちゃんが生まれた時は、まだせんそうをしている時代だったそうです。だから、古いものでも、いつも大切に使っています。おばあちゃんは、お父さんが子どもの時に使っていたものをだいじにとって、わたしのために出してきてくれます。わたしが赤ちゃんの時にねていたベビーベッドやいつも見ている地球ぎなど、お父さんの時のものがたくさんのこっています。だからおじいちゃんやおばあちゃんには、つくも神が見えるのではないかと思います。

 ある日、みずきとかなちゃんは、ガラクタ市で「とんぼ玉ねえさん」というかんざしのつくも神に出会いました。とんぼ玉ねえさんは妹をさがしていました。みずきたちは、とんぼ玉ねえさんの妹を見つけるためにゆゆばあといっしょに売家になっている古い洋館に行きました。中に入ると、桐のたんすに文づくえ、すがた見など、洋館ににあわない日本風の家具が、物おき部屋のようなせまい部屋につめこまれていました。もうすぐすてられてしまうのです。ふどうさん屋のみつかねさんは、新しい今風のおしゃれな和室にリフォームするつもりでした。「桐だんな」とよばれる、桐だんすのつくも神は、

「どこもこわれていない、まだちゃんと人の役にたてるわしらを全部すててしまうだと!ぜったいにゆるさんぞ!」

と言っておこりました。

 この言葉を聞いて、古くなってもずっと大切に使ってもらうことが、道具たちにとって一番うれしいことなんだと知りました。そして、古くなったからといってまだ使える物をすてて新しい物にとりかえる人間に、はらをたてているのだと気づきました。

 これからは、ゆゆばあや桐だんなのことを思い出し、道具を大切に長い間使っていきたいと思いました。そして、いつかわたしの家にもつくも神があらわれてくれたらいいのになぁと思います。


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主   催 鳥取県学校図書館協議会、新日本海新聞社
特別協賛 鳥取支社
協   賛 鳥取県教科図書販売株式会社、鳥取県書店商業組合、鳥取県教育文化振興会、あすなろ書房、金の星社、くもん出版、汐文社、農山漁村文化協会、ポプラ社、光村教育図書

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