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受賞作品 感想文部門
セラピー犬からのおくりものを読んで
宇山 礼華
琴浦町立八橋小学校6年 「マック動物病院ボランティア日誌 セラピー犬からのおくりもの」金の星社 |
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私がこの本を見つけたとき、表紙の犬の写真に目を奪われた。とってもかわいかったからだ。セラピー犬からのおくりもの。盲導犬は知ってるけど、セラピー犬ってどんな犬だろうと興味を持った。そして、本を読み進めていくうちに主人公のゾーイと私は、似ているところがあるなあと思った。
ゾーイの両親は離婚、母に引き取られたが母は女優で忙しく、今、獣医の祖母とくらしている。本当はさみしいのだけど、それを言わない。悲しいことがあっても、どうにかして明るくしようとしている。そして、さみしさをまぎらわすかのように、動物病院のボランティアにうちこんでいた。
そんなゾーイだけど、飼っていたスニーカーという犬がうまくしつけられなくて、「雑種だから仕方ない」と犬のせいにしていた。
私とゾーイはよく似ている。本当はさみしがり屋だけど、学校では明るくふるまおうとしてしまうところ。そして、好きなことに対しては、がんばるけど、苦手なことやいやなことは、すぐあきらめるところ。
でも、ゾーイは変わった。モグモグというセラピー犬との出会いで。セラピー犬とは、病気や高齢のため、精神的に弱っている人の心を和ます犬のことだ。小児がんの患者のいる病室で勇気づけているモグモグの姿を見たゾーイは、自分の弱さに気づかされる。治療のため、髪の抜け落ちた子ども達を見て、何も声がかけられなかったゾーイ。モグモグは、誰に対しても態度を変えない。今目の前にいる人を喜ばせたいという気持ちで接している。そして、モグモグの死をきっかけに、スニーカーをセラピー犬にする強い信念を持ち、変わっていったのだ。
作者のローリー・ハルツ・アンダーソンは、「つらく悲しい時にも、身近にペットがいてくれると、気持ちはずっと楽になり、勇気をもってがんばれるようになるものです」と書いている。私は、ペットを飼っていないが、なんとなく分かる気がした。心からかわいがれば動物にも伝わる。そして、動物もそんな人に喜びを与え、勇気づけることができるんだと。
私は、この本から二つのことを学んだ。言葉は伝わらなくても、心がつながれば、人を勇気づけることができること。そして、どんなことに対しても、あきらめなければ願いがかなうということを。だから、ゾーイのようにあきらめない。そして、人を勇気づけられる人になりたいと思った。
私には夢がある。ディズニーランドのキャストになることだ。震災後も、ずっと笑顔で、来た人を明るくしていたというエピソードを聞いて、私もそんなふうに人を勇気づける人になりたいと思った。夢をかなえるためにいろいろな困難が待ちかまえているかもしれないが、あきらめずがんばりたい。そして、ふだんの生活でも、ゾーイのように笑顔でいろいろなことを乗り越えて行きたいと思う。
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