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受賞作品 感想文部門
「挑戦する心を忘れない!!」
北野 未侑
琴浦町立八橋小学校6年
「負けない! 挑戦することは楽しいこと」(ポプラ社)
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「もう限界」
私は、これまでがんばってきたバスケをあきらめかけていた。キャプテンになったものの、シュートは入らない、前にも進めない、さらにけがで練習もできない、そんな日々が続いたからだ。
「自分には才能がないのでは…」そんな思いにつぶされそうになりながら、苦しんでいた時、この本に出会った。「負けない! 挑戦することは楽しいこと」
この本はプロテニスプレイヤーのクルム伊達公子さんが書かれた本だ。伊達さんは、昔から運動が大好きで、両親が通い始めたテニススクールについていったのが、この道を進むきっかけとなった。
この本を読んで一番心に残ったこと、それは、引退してから十一年後の三十七歳で現役復帰されたことだ。十一年というブランクを経ての挑戦は無謀だと思われていた。でも、伊達さんはあきらめなかった。やるからには結果を残すと、以前に増して練習を重ね、見事復帰を果たしたのである。
私は、その姿に衝撃を受けた。
これまでの自分はなんだったのだろう。勝手に限界を決めて、ささいなことですぐあきらめてしまう自分。失敗が怖くて挑戦しようとしない自分。
伊達さんは失敗を恐れるどころか、逆に挑戦することを楽しんでいる。そして、その伊達さんの再挑戦が周りの人を勇気づけている。私も勇気づけられた一人だ。伊達さんの生き方に憧れをいだいた。
こんな伊達さんにもスランプはあった。それは、プロとしての絶頂期。世界ランキング4位にのぼりつめたものの、プレッシャーと孤独感でおしつぶされそうになっていた。そして、引退という道を選んだのだ。試合に勝ちたいと望んで、努力してきたはずなのに、「試合に勝ってもうれしくない」「テニスが楽しくない」そんな気持ちだったことを知りこんなすごいプレイヤーでもこんな気持ちになることもあるのだと知った。
この時の伊達さんの気持ちが、今のバスケに対する私の気持ちに似ていると思った。自分に自信がなくてすぐ「どうせ」という言葉が頭に浮かんでしまう。いろいろ思い悩んでいてもだれにも相談できず、一人でかかえていた。こんな思いをするなら、やめてしまいたいと思う弱い自分がいる。でも、「大好きなバスケを続けたい」という気持ちは変わらないのだから、チャレンジできることに感謝し、がんばりたい。この本のおかげで前向きな心を取り戻すことができた。
バスケの最後の試合までは、一か月。いや、あと一か月もある。今、自分にできることを考えて行動し、後輩にこの思いを伝えたい。また中学という新しい環境の中で様々な困難が待ちかまえているかもしれないが、この本から学んだことを忘れず、いろいろなことに挑戦し、自分を高めていきたいと思う。
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