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受賞作品 感想文部門
「自分を信じ、仲間を信じて新しい世界へと」
村本 沙也
琴浦町立八橋小学校6年
「変わり者ピッポ」(光村教育図書) |
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「ここで悔しさに負けてしまったら、それこそ本物のばかだ」そう思い直したピッポは仕事に取りかかった。
私は、そんなピッポの考え方や生き方が素敵だと思った。そして、周りのことばかり気にしている自分を変えたいと強く思った。
主人公ピッポは優れた職人であった。しかし、日々奇妙な機械を考え出したり、奇怪な建物の設計図をかいたりしていたため、周りの人に「変わり者ピッポ」と呼ばれていた。
そんなある日、大聖堂の上にドームを建設する話が持ち上がる。コンテストで設計士を決めるというのだ。「優勝すれば、嫌なあだ名を言うものもいなくなるであろう。チャンスがきたのだ」そう思い、ピッポは設計図を考え始めた。
大聖堂を完成させるまでの道のりは決してたやすいものではなかった。有名な彫刻家のロレンツォにばかにされたり、コンテストの審査員に会場から追い出されたり、頑張りすぎて体調を壊したりしたこともあった。でも、どんなときだって、自分を信念を貫いたことで、大聖堂の上のドームは完成し「天才ピッポ」として歴史に名を残したのだ。
ピッポもはじめから強い人だったわけではない。何度か挫折しそうなこともあった。頑張っているのに周りから評価されなくて自分を見失いそうになったこともある。でも、彼はそこであきらめなかった。「周りがどうであろうと関係ない。自分の信じる道を突き進もう」そんな思いでやりとげたのである。
私は、ピッポの生き方と自分のこれまでとを比べて、とても弱い人間だったと気づかされた。
今までの私は、主張の強い友だちに同調し、本当に思っていることを伝えないことがよくあった。こうしたいという気持ちがあっても、周りを気にしすぎて行動できない自分がいた。「間違えたら周りの人にどう見られるか」そんなことが気になり、発表もあまりできなかった。
でも、人権学習でいろいろな人の思いを聞いたり、考えたりしていく中で、少しずつ変わってきた。いろいろなことに気づき、行動できるようになってきた。進んで発表もできるようになった。後期は、音楽クラブのクラブ長に立候補した。みんなで企画したクリスマスコンサートを成功させたことも大きな自信になった。私も、ピッポの素敵な生き方に近づいているような気がする。この本に惹かれたのも、今の自分が変わろうとしているからかもしれない。
クラスのみんなも少しずつ変わってきた。互いに声をかけあい、笑顔も増えてきている。
今年の春、中学生になる。新しい世界にとび込むのに少しだけ不安がある。でも、これからもピッポのように、自分を信じ、仲間を信じて、いろいろなことに挑んでいきたい。
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