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受賞作品 感想文部門
待っててね、おばあちゃん
中西夏海さん
八頭町立大江小学校3年 「七夕の月」(ポプラ社) |
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わたしがこのお話を読んで心にのこった場面は、まぼろしの七夕かざりが二人の前にとつぜんあらわれたところです。「まぼろしの七夕かざりを見つけて、そこに来た人にこられなくなったことを伝えてほしい」おばあちゃんのねがいを聞いた二人は、なんとしてもかなえてあげようと強く心にちかったと思います。でも、何の目じるしもない七夕かざりをどうやって見つけるというのでしょう。二人はずい分こまっただろうと思いました。病気のおばあちゃんのことを心配しながら、七夕ミュージアムに行き、かざりについて勉強したり、実さいに自分たちでかざりを作ったりしました。これまで七夕かざりについて何も知らなかったかずやも、杉野くんに一つ一つ教えてもらいながら自由研究を進めていきました。何もかもがはじめてのことでおどろくことも多かったけれど、とてもよいけいけんができてうれしかったと思います。おりづるひとつをとっても、かずやにとってはきちょうな体けんだったことでしょう。だってまわりの友だちは、まるでまほうの手の持ち主のようにつるをおっていたのですから。
おばあちゃんの手紙を読んだかずやは、八月七日の朝、まぼろしの七夕かざりを見つけに出かけます。写真にうつっていたかんばんを手がかりにいっしょうけんめいさがします。でも、七夕かざりはきのうのままです。空もだんだん明るくなっていきます。おばあちゃん、もうだめだ。そう思ったしゅんかん、かがみにはんしゃした光が一点に集まり始めました。そして、にじ色の七夕かざりの中から男の子と女の子があらわれたのです。とうとう見つけられました。おばあちゃんのねがいがかなえられたのです。二人はとてもうれしかったと思います。同時にほっとしたことでしょう。おばあちゃんが元気なころ、いっしょに見つけられたらよかったけれど、ねがいがかなえられてすっきりした気持ちになったと思います。
仙台の七夕かざりは、おもいのかたちです。なくなった人のことを思いながら一つ一つ心をこめて作った七夕かざり。そのかざりを見上げる人たち。たくさんの人のおもいをつなぐのが仙台七夕まつりだということが、わたしの心にずんとひびきました。ただきれいだとか楽しいだとかそれだけではなく、何かとても大切なおもいがこめられていることが分かりました。
わたしの住んでいる大江にも古くから伝わるまつりがあります。毎年秋になると行われます。大きな竹を切ってきて、その先に細い竹のぼうのようなものをさします。子どもたちは、みじかく切った竹のぼうを地面にたたきつけながら赤くら神社まで歩きます。その後、竹の先につけたものを一本ずつぬいてわっかにし、自分の家の屋根に投げ上げるのです。このお話を読んで、大江の秋まつりも仙台七夕まつりのように人のおもいをつなぐ大切な役目をはたしていることに気づけました。
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