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受賞作品 感想文部門
命のビザ〜未来へ
中川七海さん
米子市立淀江小学校5年
「六千人の命を救え! 外交官・杉原千畝」(PHP研究所) |
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私が読んだ本は「六千人の命を救え!外交官・杉原千畝」です。この本を読んだきっかけは、第二次世界大戦中に、多くのユダヤ人の命を救った日本人がいると聞いて興味を持ち読んでみたいと思ったからです。
この本は外交官、杉原千畝が収容所送りになるかもしれないユダヤ人に日本のビザを出しつづけ六千人もの命を救うお話です。
一番心に残ったことは、杉原さんがユダヤ人にビザを出すことを決意する場面です。自分だけの判断でたくさんのビザを出すからには、自分が罰を受けたり、家族の身に何かあるかもしれません。それでも杉原さんはビザを出すことを決めます。杉原さんの妻、幸子も「あとで、わたしたちはどうなるかわかりませんけど、そうしてください」と杉原さんに言いました。杉原さんには、子どもが三人いたので、とてもつらい決断だったと思います。私が杉原さん自身だったら、自分や家族の身が危険にさらされると思うと、たとえ正しいと心の中でわかっていても行動におこせなかったと思います。助けを求める人々を助けることを第一に考えた杉原さんは心の強い人だと思いました。
もう一つ心に残ったことは、杉原さんがユダヤ人と再会する場面です。ユダヤ人は自分達を救ってくれた杉原さんにお礼が言いたいと杉原さんの行方をさがします。そして代表が日本へ行き、二十八年ぶりに杉原さんと再会することができました。私はユダヤ人の人達が杉原さんへの感謝の気持ちを持ち続けていることに、つながった命の重さや大切さを感じます。そして再会できたことに、うれしい気持ちと温かい気持ちになりました。
杉原さんは、たくさんのビザを書いて多くの命を救った英雄です。それでも杉原さんは「人として、あたり前のことをしただけです」と言いました。差別やおそろしい迫害にあった六千人の命は、杉原さんに救われたことによってつながっていきます。自分のお父さんや、お母さんが助けられていなかったら、今の自分はいなかったという人もいます。杉原さんが助けた命はバトンになって親から子へ、子から孫へつながっていきます。杉原さんの勇気や決断が一つの命をつなげた結果なのだと思いました。
後に杉原さんは、イスラエル政府から「諸国民の中の正義の人賞」に認定され、このときにおくられたメダルには「一人の命を救うことは、全世界を救うに等しい」と書かれています。人の命を救うことは簡単ではないけれど救おうとする人がいるかぎり、世界の人々を救うことはできるのだと思います。私は化学者になるのが夢ですが人のために役立つ研究をしたいと思っています。
私はこの本を読んで、人の命の大切さや、その命を守る事のむずかしさを感じました。そして杉原さんと同じ気持ちを持つ人が増えれば争いのない平和な世界がくるのではないかと思います。私はそう信じたいです。
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