− 有力校話題校 −
「第35回日本海駅伝」(鳥取陸上競技協会、新日本海新聞社主催)と「南部忠平杯第30回くらよし女子駅伝」(倉吉市、鳥取陸上競技協会、新日本海新聞社主催)が4日、倉吉市営陸上競技場を発着点に開かれる。昨年の全国高校駅伝男子で8度目の優勝を果たした男子の世羅(広島)や、女子で初優勝した大阪薫英女学院など有力校、話題校が多く出場する。注目のチームを紹介する。
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南九州の強豪 初挑戦
九州学院高
2015/10/3
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全員がたすきを掛けて練習に励む九州学院高=熊本市テクノリサーチパーク |
都大路には11年連続34度の出場を誇る“南九州の強豪”が日本海駅伝に初挑戦する。「全国の強豪が集うレースだけに前から出たいと思っていた」と禿監督。都大路の前哨戦として、全力で伯耆路を疾走する。
2001年に準優勝。06年からは2度の3位を含む6年連続で入賞を果たすなど、悲願の初優勝まであとわずかに迫っていた。しかし、直近の3年は入賞圏外。指揮官は「このままでは負け癖がついてしまう」と危機感を抱いた。
原因は緊張感の不足。県内では無敵を誇ることから、禿監督は「普通にやれば全国でも勝てると思う甘さがあった」。早くから全国のレベルを知り、駅伝への意識を高めるため、これまで日程の関係などで出場を見合わせていた日本海駅伝への出場を決めた。
今回、期待がかかるのは西田と山城ら2年生。西田は今年、2000メートル障害で世界ジュニアに出場するなど能力は高い。山城も3000メートル障害で南九州大会で優勝。5000メートルのタイムは14分53秒ほどだが、春以降、調子は上向いている。
距離の選手は1本ずつ、たすきを掛けて毎日練習に励む。昨年までは普通の印刷だった校名を金で刺しゅうするなどグレードアップ。上村主将は「日がたつにつれて、重みが増す」と、例年以上に気合が入る。
チームの主軸を担う山城は「昨年がケガで駅伝メンバーにも選ばれなかったので、しっかり活躍したい。区間賞を狙う」。上村主将をはじめ、チームの目標は「初出場初優勝。都大路に勢いをつなげる」と意気盛んだ。
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【学校紹介】 1911年開校。48年、学制改革により九州学院高となる。91年に男子校から共学に移行。校訓は「敬天愛人」。陸上部は部員48人(うち長距離32人)。全国高校駅伝では2001年には準優勝を果たしている。クラブ活動は盛んで剣道部、水泳部は全国レベルで、インターハイに出場している。 |
全国V2の足掛かり
大阪薫英女学院高 (大阪)
2015/10/02
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チーム一丸でくらよし女子初優勝と都大路連覇に燃える大阪薫英女学院の選手たち=大阪・摂津市の同校グラウンド |
9年連続で挑んだ昨年の全国高校駅伝で、強豪の立命館宇治を抑えて初めて頂点に立った。連覇の懸かる12月の都大路を見据え、安田監督は「ベストな状態で全国を迎えたい」と力を込める。
今チームは偉業達成へ十分な布陣。望、智美の高松ムセンビ姉妹と都大路1区を務めた嵯峨山、4区で区間賞の前田も主将としてチームを引っ張る。
昨年2区の高松望はユース五輪3000メートルで9分1秒をマークして金メダル。今季のトラックでは思い通りの結果を残せなかったが、駅伝に照準を合わせて調子を戻しつつある。妹の智美は1年生ながらインターハイで7位、嵯峨山は7月の世界ユースで6位入賞を果たした。
昨年のくらよし女子駅伝で2区区間1位ながら故障に泣いた3年生の田中が復調。9月の近畿ユースで9分32秒の自己ベスト記録を10秒縮めた竹内も控える。
練習メニューは至ってシンプル。特別なことはせず、朝練習では午前7時から校庭で6、7キロのジョグをこなす。校外で行う放課後練習も約1時間と少なめ。「集中すること。練習と休養、そして栄養の3拍子のバランスを保って行うことがポイント」と安田監督は語る。
駅伝シーズン幕開けとなるくらよし女子駅伝で昨年は2位だった。「本格的にロードを走れるのでいろいろなことを試し、連覇への足掛かりにしたい」と安田監督。故障から復帰した田中は「チームを引っ張る走りをしたい。京都につながる走りを」と初制覇へ意欲を燃やす。
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【学校紹介】 大阪府摂津市にある私立校。1931年に薫英女子学院として創立され、97年に現校名になった。普通科と国際科があり、ニュージーランド、カナダに姉妹提携校を設けるなど国際舞台で活躍できる人材育成に力を入れている。バスケットボール部も全国屈指。 |