受賞作品 感想文部門


  鳥取県知事賞
小さな島のこくばんがいいよ

勝連 祐介
舩岡町立大江小学校2年


 ぼくは、こくばんが本当に空をとぶのかな、と思って、教室のこくばんをじっと見ました。

 二年一組のこくばんは、だれにもつかわれなくて、たいぎくなったんだね。ぼくがこくばんだったら、あくびばっかりしているよ。

 ぼくの教室のこくばんはいそがしいです。算数では、みんなが出て、計算をしたり、図や絵をかいてせつ明したりします。国語でも、みんなのはっぴょうを先生がチョークで書いて、大事なことを黄色いチョークでしるしをします。こくばんがかりもいて、朝来たらすぐに、日にちをかえたり日直さんの名前をかえたりと大いそがしです。書いたりけしたりのくりかえしで、とんでにげる間がありません。

 二年一組のこくばんはさみしいから、いつもにぎやかな王さまのしょくたくになりたかったんだね。大きなこくばんが、がしがし歩いて、教室やろう下やかいだんをとおるのは、ぶつかったりおちたりして大へんだったでしょう。そんなにしてまでにげたかったんだね。おく上から空にとんだ時は、やったあといい気分だったんだろうね。

 小さなしまの太った男の人にたすけてもらって、大きな木の下におかれた時はおどろいたでしょう。ぼくは、大きな木の下が、小さなしまの学校と知ってびっくりしたよ。太った男の人は先生で、こくばんにもじゃもじゃ文字を書いて、子どもたちに見せていたけど、みんな大よろこびだったね。何て書いてあるのか考えてみたよ。きっと「今日から、これがみんなのこくばんです。」と、書いてあるんじゃないのかな。自分たちのこくばんができたから、あんなにうれしそうなんだね。太った先生もはりきって字を書いていると思います。

 王さまのしょくたくになるより、ずっとここの方がいいよ。きれいだし海もあるしね。
(「そらとぶこくばん」福音館書店)


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