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受賞作品 感想文部門


  入選
モモちゃんのきせきが教えてくれたこと

三沢 楓
鳥取市立逢坂小学校3年


「きっと泳げるよ、カバのモモちゃん」 汐文社


 カバのモモちゃんは死んでしまうんじゃないだろうか。わたしは、どきどきしながら読んでいきました。ふつう、カバは水中で出さんして、水中でおっばいを飲む動物です。でも、モモちゃんの場合はちがいました。りくで生まれたからです。それだけでなく、足にけがをしていたし、さむさにとても弱いということがわかり「死んでしまうのかな。」「だいじょうぶかなあ」と、ふ安になりました。

 そんなモモちゃんを助けてくれたのはし育係のいとうさんでした。弱りかけていたモモちゃんをとりあげ、おふろ場につれて行き温かいシャワーをずっとかけつづけました。気がつけば日付けはとっくにかわっていました。そのくらいモモちゃんを死なせたくなかったんだと思います。動物も人間と同じで生きているからです。そうしたら死にかけていたモモちゃんがあごを上げて一声鳴いたのです。「きせきがおこったのかな。」と思いました。

 でも、モモちゃがんが本当のカバになるにはまだまだかべがたくさんありました。母親のおっぱいが飲めない、泳げない・・・。そして人からは「泳げないカバ」と言われるようになってしまいました。いとうさんたちは毎日ひっしでいっしょに練習して、ついにモモちゃんは泳げるようになったのです。「やればできる。」わたしは心の中ではく手をしていました。

 わたしたちの学校では、たてわりはんでファミリー活動というのをしています。六つのはんに分かれてリレーやなわとび、音読などにちょうせんしています。わたしのはんは、八の字きょうそうでどうしても他のはんに負けていました。二年生がうまくなわに入れないからです。もう勝てないのかなあと半分あきらめていました。でも、練習中、入る時にみんながかけ声をかけて合図をしたり、高学年の人がゆっくり回したりして、その子がとべるように何回も練習をしました。そうしたら、とべなかった二年生がとべるようになったのです。二年生がとんだしゅんかん、みんなが「やったあ。」「よっしゃあ。」と大よろこびをしました。モモちゃんが泳げたときも、きっといとうさんたちはこんな気持ちだったのかなあと思いました。

 カバになれるか心配されていたモモちゃんが、ムーとけっこんして男の子と女の子の赤ちゃんを生みました。名前は「ゆめ」です。この名前は、これからもあきらめずにゆめ持ってがんばろうといとうさんたちがねがいをこめてつけたのかなあと思います。モモちゃんとゆめちゃんとムーが川の字になってねている写真はとてもしあわせそうです。

 わたしには一つだけぎもんがありました。どうやってきせきがおこるか…。でも、その答えはこの本が教えてくれました。きせいは人のど力やひっしの思いでおこるということを。モモちゃんだって、いとうさんたちのひっしのど力やささえで生きられたから。


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