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受賞作品 感想文部門
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わすれられない友達
林原 さゆり
米子市立箕蚊屋小学校4年
「ぼくたちは、いつまでも」そうえん社 |
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わたしは、『友達』という言葉が好きです。「ぼくたちは、いつまでも」というこの本を見た時、きっと友達のことが書いてあると思い、心が引きつけられた感じがしました。どんな話かなあとワクワクしながら、本をそっと開きました。
読み始めてまずびっくりしたことは、主人公の田ぶち君がわたしと同じ四年生の男の子だということです。でも、もう一人大切な人がいました。その子も同じ四年生ですが、元気なわたしとは正反対でした。その子は神山君といい、車いすに乗っています。しかもだんだん筋肉がちぢんでいく病気です。わたしは、だいじょうぶかなと思いながらページをめくっていきます。
同じクラスの神山君と田ぶち君が友達になったきっかけは、二学期の席がえの時です。そのころ田ぶち君はみんなから「ブッチー、ブッチー。」とからかわれていました。でも、かいごほ助員の古田さんが言った言葉、「手伝ってくれないかなあ。」をきっかけに、はじめは係をいやがっていた田ぶち君だったけど、ちゃんとするようになりました。もしわたしが言われたら、きっとお手伝いしたと思います。だから、田ぶち君に思わずはく手をしてあげたくなりました。
お昼休み、古田さんは神山君の体をゴロゴロします。神山君がいたそうにしているのに続けている時、わたしは心の中で「かわいそう。」とさけんでいました。でもそうしないと、体もかたくなるし、心ぞうまでかたくなって死んでしまうと聞いた時、わたしはいたくてもそれをやらないといけないこともあるんだと知りました。ブッチーと神山君が二人っきりの時に、神山君が「おしっこ。」と言った時、わたしはいやだなあと思いました。田ぶち君もそう思ったと思います。その時、神山君が、「友達だから。」と言った時、わたしはまるで、神山君がわたしに言っているみたいな気がして、ドキッとしました。お手伝いをすると決めていたのに、何だかウソをついたようで悪いような気がしました。でもこのおしっこ事けんから、神山君にもケロックというあだ名をつけるくらい、二人はもっと「友達」になりました。
そうじの時、ケロックがうずくまっている時には、心ぞうがドキドキしました。そして入院し、とうとう死んでしまった時には、いつの間にかなみだがあふれてきました。
わたしがこの本を読んで強く感じたのは、『友達への思いやり』ということです。結局、神山君は死んでしまったけど、ブッチーの心の中にはケロックが必ずいるはずです。
わたしは友達がたくさんいます。みんないろいろないい所を持っています。神山君が、「生きるってことは、その命を生かすこと。」と言った言葉を大切にして、これからも友達をいっぱい作りたいです。
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