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受賞作品 感想文部門
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「137億光年のヒトミ」を読んで
藤枝 大地
琴浦町立八橋小学校6年
「137億光年のヒトミ―地球外知的生命の謎を追う−」
そうえん社 |
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「百三十七億光年のヒトミ」を持つ日本一の「なゆた望遠鏡」が僕が住むとなりの兵庫県にあるなんて思ってもいなかった。
この「なゆた望遠鏡」は、いつも、ぼくの知らない宇宙を見ている。直径二メートルもある鏡。これで百三十七億光年前の星が見えるなんて、まるでタイムマシンのようだ。
日本一大きなこの望遠鏡が西はりま天文台に完成するまで、阪神・淡路大震災で一度は消えてしまった計画から十年かかったそうだ。その実現のためには強い熱意と大きな協力が必要だったことが想像できる。この成功は、僕に「希望を捨ててはいけない。」という勇気をくれた。
「なゆた」に比べるとずっと小さな望遠鏡だけど、星をながめるのが好きな僕は、この本に出会って、なんだか体がうずうずしてきてしまった。著者の鳴沢真也さんのように、ぼくも天文少年だ。カシオペア座RZの謎、宇宙の神秘、すばらしさ、そして、鳴沢さんの生き方など、知らないことや学ぶことがたくさんあり、早く次のページを読んでみたい、そんな気になった。
特に、天文観測の場面では、鳴沢さんの説明に、そこにいるような気分になっていることがあり、自分でもびっくりした。天然プラネタリウムはとてもおもしろそうで、ぜひ行ってみたいと思う。
広く大きな宇宙で隣人を探す「OSETI」。以前に、他の本で宇宙人探しはパラボラアンテナでの電波探査しかないというようなことを読んだことがある。だけど、この本に書いてある「OSETI」は、光学望遠鏡を使って宇宙人が送ってくるレーザー光線を観測する。その観測を西はりま天文台では、月に一、二回の割合で一般参加の形で行っているという。このとこを知った科学好きな僕は、ドキドキして、自分でもやりたい、やってみたいと思うようになった。
なぜ一般参加を行うのか。鳴沢さんの「小さな地球と、かけがえのない人間をもう一度見つめなおすきっかけになればいいな、いつもそう思いながらやっている。」という言葉には、読者へのメッセージがこめられていると思う。
この広い宇宙をもっと身近に感じてほしい。宇宙を通して、自分たちが住むこの小さくて美しい地球のことをもっと真剣に考え、大切に守っていってほしい。そして、たくさんの偶然でできた貴重な存在である人間同士が戦争やテロなどで傷つけ合うなんてとんでもない。争いごとをやめ、もっと命を大切にしなければいけないということを伝えたいのだと思った。
ぼくは、セーガン博士の宇宙人へのアレシボメッセージを解読してみたいと思っていた。だけど「五万年たっても人類がほろびることがなく地球に存在していよう」という地球人に向けたメッセージでもあることが分かり、もっと大切なことを学んだように思った。
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