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受賞作品 感想文部門
「命を上手に育てられる人≠ノなりたい」
三谷 幸
倉吉市立成徳小学校5年 「はるかな島」光村教育図書 |
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「あなたは、化け物などではありません。命を上手に育てる人です。」
女王様は、深い悲しみのために心を閉ざし、一人ぼっちになりたいと願う不幸な男に、やさしくこうおっしゃった。
命≠チて何だろう?そして、命を上手に育てる≠ニはどういうことなのだろうか?
私も、一つ命を持っている。友達も先生も、空を飛ぶ鳥や、庭の木や草も。この地球上に生きているものは、すべて一つずつ命を持っている。そして、毎日毎日それぞれの住んでいる世界で、一生けん命命≠フ火を燃やして生きているのだ。
しかし、日々の生活の中では、つらいことや苦しいこと、悲しいこともたくさんある。私は、父の仕事の都合で、幼いころから転校をくり返してきた。そのため、人前で話をするのが苦手だ。
「聞こえません。」
「もっと大きな声で言って下さい。」
とか言われると、とたんに自信が無くなり、だんだんと声が小さくなってしまうのだ。そんな自分がくやしくて、情けなくて、よくふとんの中で泣いたこともあった。
でも、この本を読んで私は自分がはずかしくなった。この男のように、もっと自分も強くならなければならないと思った。不幸な男は、草一本生えていない岩肌むきだしの島に、植物の種をまいたり、動物たちの世話をして何もなかった島を、いつの間にか緑の楽園にしてしまった。毎日毎日ぐちや不満を言わず、雨の日も風の日もひたすら草木や動物の世話をし続けたのだ。男の手は、ざらざらにあれ、唇は潮風で切れた。でも、男は世話を続けた。そして、ある日自分は不幸だと思い込んでいた男は、実は世界で一番幸福な男であることに気づいたのだ。
私は、物語を最後まで読んでみて、やっと分かった。この男は島に美しい緑や動物たちの命を育てながら、同時に自分の命もまた育てていたのだと。そして、男が苦しみにたえながら命の火を燃やし生きぬく努力をしたからこそ、心の中に目には見えない幸せという火をともすことができたのではないのだろうか?幸せとは、命を大切にしてあたえられた時間を精いっぱい生きぬく努力をしてはじめて、生まれ育っていくものではないのだろうか?
私も、これから何十年という長い人生を生きていく。そしてその間、つらいことや苦しいことにたくさん出会うにちがいない。でもその時には、ただ下をむいて泣くだけではなく、この男のように顔をあげ前をむいて、小さなことでもいいから自分にできる努力を積みかさねていきたいと思う。そして、一日一日を大切にして、一つしかないこの命の火を精いっぱい燃やして、いつか自分だけではなく他の人たちも、幸せにしてあげられるような命を上手に育てられる人≠ノなりたいと思った。 |
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