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受賞作品 感想文部門
「おいしい料理は元気のもと」
坂本 理央さん
鳥取市立醇風小学校4年
「シェフでいこうぜ!」(国土社)
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「おいしいものを食べると、元気がでるね。」これは、私の母の口ぐせです。気分が落ちこんだ時には、母はいつも私のためにおいしいご飯や好きなおやつを作ってくれます。ゆっくりすごして、おいしい物を食べると、母が言うように、元気がわいてきます。
大斗のお父さんは、コロナのことが気がかりで、気持ちが落ちこんで体調をくずしてしまいました。人は、かんきょうの変化や、深い悲しみなどで、心の病気になることがあるそうです。
いつも元気な私の母も、元気のない時期がありました。父が長く単身ふにんをしていて、昨年の四月に母と姉と私の三人は、父が住んでいる鳥取市に引っこしてきました。
私は、大好きな友達や先生と別れるのが悲しくて、最後のしゅうりょう式では、体育館でみんなの前で泣いてしまいました。
でも、鳥取市でも友達がたくさんできたし、六年ぶりに父といっしょにくらす毎日が楽しくて、すぐ鳥取市が大好きになりました。
母は、コロナで学校行事やイベントなどのきぼが小さくなり、友達がいなくて気分がめいるとよく言っていました。私は、しゅうりょう式で泣いた自分を思い出しました。母の気持ちが良く分かったので、母をはげましたくて、おいしい物を食べて元気を出してほしいと思いました。
大斗のお父さんみたいなおふくろの味は、その時は思いつきませんでした。私はそのころ発こう食品にきょう味があって、父に教わりながら自分でぬかづけを作るじゅんびをしていました。おいしいぬかづけが出来たら、真っ先に母に食べさせたいと思いました。
ぬか床を作っていると、母が笑いながら、「すごいにおい。理央の赤ちゃんのころのおむつのにおいみたい。」と言いました。私もくさくて、本当にぬかづけなんてできるのか不安になりました。でも、出来たぬかづけはとてもおいしくて、母も、今まで食べたおつけ物の中で一番おいしいと、たくさん食べてくれました。
大斗は何日もかけて自分で勉強して、研究して、おふくろの味のてびちを作ってすごいと思いました。ぬかづけは、塩の量が多少ちがったり、温度によって、味がびみょうに変わります。でも、心をこめて作った料理は、本当においしくて、元気が出るのだなと改めて思いました。
大斗のお父さんも、おふくろの味がそのまま同じ味だったこともうれしかっただろうし、それ以上に大斗が自分のために努力してくれたことが元気のもとになったと思います。
私の母は生まれてすぐ、お母さんがなくなっていて、大斗のお十さんみたいなおふくろの味がないのですが、私がおばあちゃん代わりになって、おいしい料理をたくさん作ってあげたいです。大斗のように努力して、私が作った料理が、母にとってのおふくろの味になるとうれしいです。
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