受賞作品 感想文部門


  入選
米子市立成実小学校6年
橋谷  泉

「イソップ」を読んで
(「イソップ」=金の星社)



 私はこの『イソップ』の作者、青木和雄さんの本を、今までに何冊か読んだことがあります。その青木さんの本は、読んだ後に心が温かくなって、ドキドキしてきます。そして、今までの自分を反省し、自分に登場人物のような悲しい事があっても、みんなと一しょに乗りこえていこうという気持ちになります。

 私はその『イソップ』を読んで、しょう吾と千里と草馬がたくさんの事情をかかえながらも、友達を思うやさしい心に心を打たれました。

 みなさん、イソップ物語というお話を知っていますか?『北風と太陽』は、私が知っているイソップ物語の一つです。

 この作品では、イソップ物語のストーリーがいくつか出ています。これは主人公、しょう吾と周りの人との関わり方を考えさせる、大切な役目をしていたのではないかな、と思います。

 名門学校から、楠小学校に転校したしょう吾は、とても変わったなと思います。転校前は、イソップ物語の『クマと旅人』のように、自分だけクマからにげて、おそわれそうな仲間を助けようとはしないような事を、楠小でしてしまいました。

 もしそのような事件がおきたら、私もしょう吾と同じで、自分が助かりたいという気持ちでいっぱいで、仲間の事はどうでもいいと思うかもしれません。でも、「はやくにげて!危ないよ」と叫ぶことはできたと思います。

 転校先で男の格好をして、男言葉でしゃべる千里がしょう吾に言った言葉が、とても気になって、今でも私の心に残っています。

 なぜ草馬がイソップと呼ばれるのか、なぜ体のあちこちに古い傷あとがあるのか、とても気になりました。でも私は、その理由を深く知ろうとはしなかったと思います。しょう吾っも同じでした。そして千里が言ったのです。「知ろうとはしない事は失礼だ。人生には、しかたないで終われない事がある…だから誰かの助けがいるんだよ」。

 読んでいた私は、自分が言われたような気がして、ドキッとしました。そして、人との距離が相手を知ることによってちぢまっていくことを、しょう吾と一しょに教わったような気がします。

 もし、本の世界に入ることができるなら、千里や草馬、しょう吾の事をよく理解して、友達になりたいと思いました。

 それからのしょう吾は、自分から相手を知るようにがん張っていて、とても感心しました。やはり、相手の事を知る事によって、本当の友達になっていく事がよく分かりました。

 本はたくさんの知識、考え方をいろいろ教えてくれます。この本では、本当の友達を見つけるために大切なことを知りました。だから私も、草馬や千里のような心から信じ合える、友達を見つけたいです。


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受賞作品
感想文部門
最優秀賞
「光と夢」
谷口 大展


優秀賞
「キツネ和尚と大フクロウ」を読んで
中川雄翔
わたしのまほう
斎藤萌香

入選
「わらいの王子様」を読んで
小川ひかり
「ハンナのかばん」を読んで
太田ちひろ
「イソップ」を読んで
橋谷泉
生き返る池|水底の棺を|読んで
上杉侑翔
絵てがみ部門
最優秀賞
「かなさんへ」
国岡由佳


優秀賞
「にじいろのはなさんへ」
田澤茉夕
大フクロウへ
田中晴菜

入選
じいじとばあばへ
野沢祐斗
池本先生へ
中村有香
お母さんへ
藤井佳穂
たくろうくんへ
吹野佑太




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