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私はこの『イソップ』の作者、青木和雄さんの本を、今までに何冊か読んだことがあります。その青木さんの本は、読んだ後に心が温かくなって、ドキドキしてきます。そして、今までの自分を反省し、自分に登場人物のような悲しい事があっても、みんなと一しょに乗りこえていこうという気持ちになります。 私はその『イソップ』を読んで、しょう吾と千里と草馬がたくさんの事情をかかえながらも、友達を思うやさしい心に心を打たれました。 みなさん、イソップ物語というお話を知っていますか?『北風と太陽』は、私が知っているイソップ物語の一つです。 この作品では、イソップ物語のストーリーがいくつか出ています。これは主人公、しょう吾と周りの人との関わり方を考えさせる、大切な役目をしていたのではないかな、と思います。 名門学校から、楠小学校に転校したしょう吾は、とても変わったなと思います。転校前は、イソップ物語の『クマと旅人』のように、自分だけクマからにげて、おそわれそうな仲間を助けようとはしないような事を、楠小でしてしまいました。 もしそのような事件がおきたら、私もしょう吾と同じで、自分が助かりたいという気持ちでいっぱいで、仲間の事はどうでもいいと思うかもしれません。でも、「はやくにげて!危ないよ」と叫ぶことはできたと思います。 転校先で男の格好をして、男言葉でしゃべる千里がしょう吾に言った言葉が、とても気になって、今でも私の心に残っています。 なぜ草馬がイソップと呼ばれるのか、なぜ体のあちこちに古い傷あとがあるのか、とても気になりました。でも私は、その理由を深く知ろうとはしなかったと思います。しょう吾っも同じでした。そして千里が言ったのです。「知ろうとはしない事は失礼だ。人生には、しかたないで終われない事がある…だから誰かの助けがいるんだよ」。 読んでいた私は、自分が言われたような気がして、ドキッとしました。そして、人との距離が相手を知ることによってちぢまっていくことを、しょう吾と一しょに教わったような気がします。 もし、本の世界に入ることができるなら、千里や草馬、しょう吾の事をよく理解して、友達になりたいと思いました。 それからのしょう吾は、自分から相手を知るようにがん張っていて、とても感心しました。やはり、相手の事を知る事によって、本当の友達になっていく事がよく分かりました。 本はたくさんの知識、考え方をいろいろ教えてくれます。この本では、本当の友達を見つけるために大切なことを知りました。だから私も、草馬や千里のような心から信じ合える、友達を見つけたいです。 << 「受賞者のみなさん」一覧へ |
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