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特集一覧

2025

vol187うみぽす甲子園 2025/1/29

2024

vol186環境と調和した農業の推進 2024/12/29
vol185とっとりエコ検定 2024/11/29
vol184交通・物流の脱炭素化 2024/10/31
vol183学祭でプラごみゼロへ 2024/9/30
vol182里地里山の魅力発信 2024/8/30
vol181とっとりエコ検定 2024/7/30
vol180災害に強い「走る蓄電池」 2024/6/30
vol179地球と人に優しい暮らし 2024/5/30
vol178脱炭素経営に導く 2024/4/30
vol177とっとりエコ検定 2024/3/31
vol176脱炭素地域先行モデルに 2024/2/28
vol1752050年脱炭素社会実現へ 宣言自治体の取り組み紹介 2024/1/25

2023

vol174学校の取り組み紹介 2023/12/25
vol173とっとりエコ検定 2023/11/28
vol172脱炭素へ 見直される薪の価値森林資源の有効活用 2023/10/30
vol171高断熱、省エネで快適住まい 2023/9/29
vol170脱炭素社会 環境対応車の普及・拡大へ 2023/8/27
vol169とっとりエコ検定 2023/7/26
vol168異常気象に備える 2023/6/25
vol167再エネの主力電源化に向けて 2023/5/28
vol166地域の環境保全 身近にできること 2023/4/26
vol165とっとりエコ検定 2023/3/29
vol164「食品ロス」削減推進 2023/2/25
vol163学校の取り組み紹介 2023/1/27

2022

vol162海洋ごみ 実態把握 2022/12/26
vol161とっとりエコ検定 2022/11/28
vol160進む「食品ロス削減」対策 2022/10/25
vol159エコとファッションの両立 2022/9/28
vol158子どもに住まいの教育を 2022/8/29
vol157とっとりエコ検定 2022/7/29
vol156環境に優しい車社会 2022/6/28
vol155森林や里山の保全、活用 2022/5/28
vol154再エネ普及へ活発化 2022/4/26
vol153とっとりエコ検定 2022/3/27
vol152エコツーリズムの推進 自然観光資源を生かす 2022/2/25
vol151脱炭素社会の実現へ カーボンニュートラルに挑む自治体 2022/1/31

2021

vol150省エネ住宅で快適な暮らし 2021/12/27
vol149暮らしで未来を変える〜エシカル消費のススメ〜 2021/10/26
vol148環境に優しい車の普及へ 2021/9/26
vol147環境配慮型ビジネスへ 2021/8/26
vol146人と環境に優しい農業 2021/6/30
vol145環境に優しい再エネの活用 2021/5/28
vol144循環型社会(4R)の実現へ 2021/4/30
vol143食品ロスをなくそう! 2021/2/25
vol142SDGsの推進 2021/1/31

2020

vol141多様な生態系を守る 2020/12/28
vol140快適な暮らしを実現 2020/10/28
vol139豊かな世界へSDGs実践 2020/9/28
vol138目指すべき未来 Society5.0の社会実現に向けて 2020/8/29
vol137環境守る森林、林業 2020/6/29
vol136自治体が挑む環境問題 2020/5/29
vol135持続可能な社会へ力添え 2020/4/30
vol134電動車で代替エネルギー活用 2020/2/27
vol133エコに通じる食、健康 2020/1/31

2019

vol132ごみの減量化に向けて 2019/12/26
vol131景観守り、地域活性化 2019/10/29
vol130環境ビジネス最前線 先駆的な再エネ活用 2019/9/27
vol129新たなステージ迎えた環境とビジネス 2019/8/30
vol128SDGs(持続可能な開発目標)を知り実践しよう 2019/6/28
vol127できることから温暖化防止 2019/5/27
vol126環境保全型農業の実践 開かれた農業セクターの可能性 2019/4/25
vol125自治体が挑むエネルギー政策 バイオマス発電の取り組み 2019/2/28
vol124山を守る 温暖化防ぐ取り組み 2019/1/30

2018

vol123対策広め、温暖化防止 地域で活躍するサポート活動 2018/12/27
vol122下水から発電 秋里下水処理場バイオマス発電所 稼動から1年 2018/10/30
vol121放置竹林の荒廃・拡大防げ 2018/9/26
vol120エコ活動28年 地域に共感の輪 2018/8/30
vol119雑草が生えない有機米栽培 2018/6/28
vol118循環型社会を目指して 2018/5/29
vol117人と地球に優しいエコな山村暮らし 2018/4/26
vol116住宅用太陽光発電「2019年問題」 買い取り満了 どう扱う!? 2018/2/27
vol115市民、企業、行政代表鼎談 2018/1/29
 
vol.187 うみぽす甲子園


2025.1.29

 好きなテーマを設定し海の課題解決に挑む高校生が、ポスター製作と具体的な活動、プレゼンテーションなどで競う2023、24年度の「うみぽす甲子園」(海洋連盟主催)で、鳥取県の高校から応募したチームが2年続けて決勝プレゼンに進み、特別賞を受賞した。取り組みの内容やその後の継承活動を紹介する。


辻田寛明 ソーシャルアクション賞 
青谷高校青谷ごみ当番(5人)/青谷高 
【テーマ】海をきれいに大切に

ソーシャルアクション同好会のメンバーとボランティア参加した青谷高の生徒たち
 鳥取の海の豊かさを未来につなげたいと、海洋ごみ問題と向き合った。地元の美しい海を守る取り組みを継承していくため、受賞チームのメンバーが中心となって24年春結成した「ソーシャルアクション同好会」(13人)が同年秋、海岸清掃と地引き網漂着ごみの多さを痛感したチームのメンバーたち。各地の海岸を回ってごみの状況を調べ、清掃して帰る活動のほか、観光客にも参加を呼びかけ、鳥取砂丘でごみ拾いイベント(23年10月)を実施したことなども決勝プレゼン大会で披露した。ポスターは鳥取砂丘をモチーフにデザインした。をセットにしたイベントを展開した。

◇漂着ごみの多さ痛感
 23年当時、高校1年だった生徒有志(現2年)が、授業で行った海岸清掃の振り返りとして、コンテストに応募した。青谷高から3〜5人1組で応募した8チームのうち、決勝プレゼン大会に進んだのが「青谷高校青谷ごみ当番」だった。


ごみ拾いの後、地引き網に興じる子どもたち
◇楽しみながら清掃
 受賞から約1年後の24年10月、船磯海岸(鳥取市気高町)で行った同好会主催の「とっとり環境地引き網」は、「レッツエンジョイ!」をキャッチフレーズに地域を巻き込んだイベントとなった。地元の保育園児、小学生とその保護者約140人をはじめ、県漁協の関係者や鳥取短期大の学生ら地元のボランティアを含めて総勢約230人が参加した。

 参加者全員で138袋分ものごみを拾った後、きれいになった海岸で地引き網に興じ、会場には子どもたちの歓声が響き渡った。

 「メインはごみ拾いだが、何か楽しいことをセットにして、大勢の人を集めたかった」と話すのは、同好会の部長を務める山本柚花さん(2年)。「海洋ごみが生態系に与える悪影響、景観を損ねることなどを大勢の人に知ってもらい、海の課題解決に向けて地域のみんなで考えるきっかけになったと思う」と振り返った。来年度も子どもたちの笑顔を誘発できるようなイベントを検討中だ。

 同好会の顧問教諭は「地引き網など楽しいこととセットにするのが“鳥取式海岸清掃”といわれるようになれば面白い。観光客にも入ってもらえばさらに盛り上がるし、鳥取の海岸清掃の新たな文化になれば」と同好会の活動に期待する。

石原良純 はじめま賞
Splash(スプラッシュ) whale(ホエール) Tori−nishi(トリニシ)<5人>/鳥取西高
【テーマ】 クジラが教えてくれること

決勝大会会場でクジラの骨と記念撮影する受賞チームのメンバーら
 クジラの骨との出合いから、海洋ごみ問題に関心を持った自然科学部生物班の5人が、海の現状と問題への意識を浸透させるため活動を始めた。海ごみの半分以上を占めるプラスチックに焦点を当てたイベント出店や出前授業で、理解を次の人へつなげていく。

◇クジラの骨が漂着
 2024年4月、湯梨浜町の海岸にクジラの死骸が流れ着いた。死骸の骨は生徒の学びに活用するため、一時的に鳥取西高に貸し出された。この骨を計測し標本にしようと、教師が同部の部員に声かけ。集まった5人のメンバーが計測を進め、クジラの死の原因を知る中で、海ごみ問題の根深さを実感した。

 プラスチックには、有害物質を吸着する特徴がある。海に流出したプラスチックごみ(プラごみ)が微細なマイクロプラスチックとなって生物の体内に取り込まれ、付着していた有害物質が蓄積し死に至る。

 「プラごみの悪影響の原因まで皆に伝えたい」と考えたメンバーは、クジラの骨から得た学びを広く知らせるために動き出した。

クジラの骨の重さを測定する大森さん(右)と児童
◇伝える連鎖の契機に
 未来の海ごみを減らそうと、伝える対象は小中学生に設定した。手始めに24年9月、鳥取城跡でのイベントで、クジラの骨を触ったり、プラごみを使ってストラップを作ったりする体験ブースを設けた。約60人いた体験者の約半数が答えたアンケートで、全員が「環境問題に対する意識が深まった」と回答。問題意識を広めることができたことに手応えを感じた。

 同12月には、久松小6年生44人が同チームの授業を受けた。城跡イベントで展開した2ブースに加え、海洋ごみを分別できる体験ブースを設け、海の現状への理解を深めた。「今日知ったことを周りの人にも話したい」と話す児童もいた。

 「今後も小中学生に伝える活動を続けたい」と語るメンバー。しかし、クジラの骨はいずれ鳥取県立博物館に返却予定のため、新しい伝え方を見いださないといけない。リーダーの大森一芭さん(1年)は「海ごみ問題への意識を2人目につなげようという思いから伝播(でんぱ)していった。問題を自分ごとに捉え、周囲に伝えてもらうきっかけをつくり続けたい」と前を向く。


うみぽす甲子園とは

 海の課題に立ち向かう高校生コンテスト。課題解決方法のアイデアをポスターにして、具体的な活動に展開、その成果を含めてプレゼンテーションする。予選通過したファイナリストが決勝プレゼン大会に臨み、グランプリと準グランプリ各1チーム、特別賞5チームを決める。2023年は全国29校・212チーム(ファイナリスト14チーム55人)、24年は全国39校・295チーム(ファイナリスト11チーム34人/敗者復活戦からの参加・再エントリー含む)の応募があった。日本財団「海と日本PROJECT」の一環で海洋連盟が22年から実施。


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